2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

お母さんからの質問:妊娠中 (授乳中) ですが抗菌薬 (抗生物質) を服用しても大丈夫でしょうか?

今日は、妊娠中・授乳中の抗菌薬についてお話します。 まず、ざっくりしたポイントですが、 ・本当に薬剤の治療が必要な場合に服用する のが前提 ・薬剤の使用に関係なく、15%が流産、3~5%が先天異常を自然発生することを知っておきましょう。 ・妊娠中は、…

糞便移植の話のインパクトが強かった

現在、日本小児科学会学術集会をオンデマンドで視聴しておりますが、腸内細菌叢の話が最も興味深かったです。 まずは、腸内細菌に関する一般的な話の説明がありました (記憶に基づいているので間違いがあったらすみません) ・腸内には細菌が約100兆個存在し…

心とからだの健康 2021年6月号に副院長の記事が掲載されました 

心とからだの健康(健学社)2021年6月号に私の記事が掲載されました。 街の小児科医のお仕事を小学生とのインタビュー形式で紹介しております。 本棚の右上コーナーに置いておきますので、良かったら待ち時間にお読みになってくださいネ。 (心とからだの健康…

盛り沢山な1日

昨日は、いつもより少し遅い時間にクリニックに行き、電子カルテのデータ移行の準備をしました。無事にこれまで受診した方の診察券番号、名前などの主要な情報を新しい電子カルテに移行できました。 その後、9:30にクリニックを出て、今年から新たに園医にな…

妊娠・授乳と抗アレルギー薬について

昨日は、スーパームーン皆既月食が見れましたでしょうか?私は何度かベランダに顔を出しましたが、空が曇っていて全く見えませんでした。ずつと外で見張っていれば、捉えられたのでしょうか。 今日は、妊娠と抗アレルギー薬についてです。今年は、花粉症の時…

妊娠と薬剤:喘息について

先日、妊娠と薬剤の総論について記事にしました。今回は、妊娠と喘息の薬剤について お話していきたいと思います。 teammanabe.hatenablog.com ポイント ・喘息はまれな疾患ではありません (期間有症率9.4%) ・妊娠中 (特に24~36週)は、喘息が増悪するリスク…

【大流行中】 RSV感染症について~過去記事のリメイク

1.RSウイルス (以下RSV) 感染症とは ・乳幼児に肺炎や細気管支炎などを引き起こす最も頻度の高い原因ウイルスです ・生後1歳までに半数以上が2歳までにほぼ100%が初感染を受けます ・そのうち30~40%が気管支炎・肺炎に至り、1~3%が重症化し入院を要しま…

6/1(火)より電子カルテを導入します

6/1 (火) より電子カルテを導入します! 最初は、紙カルテの時と大きく診療の流れが変わってくるので戸惑いがあると思います。また、電子カルテの入力に手間取る場合もあるかもしれません。 最初の1~2週間は、お待たせする時間が長くなる可能性があります…

2021年6月1日 (火)より火・金のカゼ症状なしの時間帯を変更します

昨日は、久しぶりの天気の良い日でしたね。今年は梅雨が早く始まりますね。その分、早く終わるといいのですが・・・。 気象庁|令和3年の梅雨入りと梅雨明け(速報値) さて、6月1日 (火)より火・金のカゼ症状なしの時間帯を変更することとしました。 花粉症…

新型コロナワクチン2回目接種後 (続報です)

ブログのネタがないわけではありません。ここ最近、外来で患者さんから新型コロナワクチン接種後の副反応について質問をいただくことが多く、しつこいかな?と思いつつ、5/19 (水)に接種した4名を追加し、記事にすることにしました。 接種後の状況は以下です…

お母さんからの質問:妊娠中ですが服用しても大丈夫でしょうか?

当院では、新型コロナ感染拡大対策として、ご希望があれば保護者の方のカゼ症状の診療も行っております。その際に、「妊娠中ですけど・・」「授乳中ですけど・・」という質問をいただくことが少なくありません。そこで、今回、妊娠・授乳と投薬についてお話…

保育士さんからの質問:伝染性軟属腫 (水いぼ)は園ではどのように対応すると良いのでしょうか?

先日の保育園健診で伝染性軟属腫 (水いぼ)への対応も話題になりました。この機会に解説させていただこうと思います。 まずは結論から。当園は可能。プールについては○、ただし、ビート板やタオルの共有は✗ 良かったら下の解説with私のコメントも御覧くださ…

オムツ交換台からの墜落に注意

日本小児科学会雑誌では、小児科医が共有したほうがよい事故情報が掲載されます。2021年4月号の学会誌からの報告を共有したいと思います。 以下、学会誌の内容を簡潔にまとめました。 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会. Injury Alert (傷害速報) No…

保育士さんからの質問:小さい子達もマスクをつけて活動しないといけないのでしょうか?

保育園での健診の際に、保育士さんより「園児もマスクをつけていないといけないのでしょうか?」という質問をいただきました。 (回答) 5歳以下の子どもは必ずしも装着させる必要はありません。マスクをつけて活動することによる、熱中症のリスクがありますし…

当院のスタッフの新型コロナワクチン2回目接種後の状況

土曜日は私を含めて5名 (他院のスタッフを含めると6名) が接種しました 。2回目接種の方が、副反応が強くでると言われているにも関わらず、当院の5名のうち4名は1回目より軽くすみました。ただし、残りの1名は1回目にはなかった発熱をみとめました。 2回目…

ワクチン接種2日目&国立感染症研究所からのワクチンの有効性に関する報告

昨日は、自宅でゆっくりと過ごしました。日中は、前回と比較し、痛みはそれほどなかったのですが、常に眠い状態でした(朝、4時台より活動している影響もあると思いますが・・)。しかし、夜間はまた痛みで覚醒し、ロキソニンを追加で内服しました。接種前に…

新型コロナワクチン2回目を接種しました

昨日は、新型コロナワクチン2回目を接種しました。接種後すぐにロキソニンと葛根湯を服用したところ、接種5時間の時点で全く痛みはありませんでした。しかし、夜になり、しっかり痛みが出てきて、夜中に何度か目が覚めてしまいました。今朝は前回と同程度か…

第2回 電子カルテシュミレーションを行いました

5/13(木)は、さがみ野保育園での健診の後、クリニックに戻り、先週に引き続き第2回の電子カルテのシュミレーションを行いました。 初回は電子カルテの雰囲気を理解する程度でしたが、昨日は、模擬患者さんを作り、 本番での流れを確認しました。私のジャガー…

さがみ野保育園で健診

昨日の午前中はさがみ野保育園に健診に行ってきました。さがみ野保育園は、クリニックより徒歩約5分の場所にあります。2歳児までの園で総勢12名のアットホームな雰囲気の園です。 sagamino-hoikuen.com 当院の近くにあるためか、半数以上が知っているお子様…

えずくは標準語ではないようです

ここ最近は、胃腸炎で受診する書かたが増えてきました。看護師や外来の患者さんが、嘔気を訴えることを「えずく」と表現することがあります。しかし、これは標準語なのか疑問に思っておりました。理由は、私が「えずく」という言葉を初めて知ったのが20歳代…

エスカレーターの事故に注意

日本小児科学会雑誌では、小児科医が共有したほうがよい事故情報が掲載されます。2021年4月号の学会誌からの報告を共有したいと思います。 以下、学会誌の内容を簡潔にまとめました。 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会. Injury Alert (傷害速報) No…

抗菌薬 (抗生物質)の使用は必要最小限を目指しています

今日は、外来で処方することのある抗菌薬の薬剤耐性菌問題と対策についてです。日本小児科学会誌の4月号に掲載された総説が、とてもインパクトの強い内容でしたので、紹介させていただきます。できるだけ平易な言葉を使うようにしましたが、少し難しいかもし…

太宰治の人間失格の主人公は自閉スペクトラム症?

GW中に、太宰治の「人間失格」のマンガを読んでみました。 これまで人間失格は読んだことがなく、桑田佳祐の「声に出して歌いたい日本文学」にあるフレーズしか知りませんでした。 桑田佳祐 - 声に出して歌いたい日本文学〈Medley〉 | サザンオールスターズ …

自己理解力についての講演を視聴しました

GWの最初の方で、自己理解についてのWeb講演会を視聴しました。講師はNPO法人エジソンクラブ代表の高山恵子先生でした。自己理解し、最終的にはメタ認知(=自分の行動や言動を客観的に振り返る力)ができるようになるのが、社会生活を送るうえで重要になっ…

連休最終日は電子カルテのシュミレーションでした

GWはどこも遠出せず、イクメン業とブログの更新(大きなタスクであった子宮頸がんについて集中して取り上げることができました)、Webでの勉強で終わってしまいました。看護師のTさんよりお借りした「ベイマックス」「ライオンキング」「アナと雪の女王」の…

子宮頸がんワクチンの説明のための予約枠を作りました

ここまで7回にわたり、子宮頸がんとワクチンの話をしてきました。 接種にあたり、本人・保護者ともに、接種する意義 (子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染予防)や接種後の副反応についてしっかり理解していただいたうえで、検討していただ…

子宮頸がんワクチン接種後の副反応について

今日は、保護者の皆様が一番気になるワクチンの副反応についてお話ししていきたいと思います。 まずは一般的な副反応について サーバリックスRの国内臨床試験では、局所 (接種部位) の副反応として、疼痛 (99%), 発赤 (88.2%), 腫脹 (78.8%) で、全身性の副…

子宮頸がんワクチンの効果~日本からの報告

今日は、わが国における、子宮頸がんワクチンによるヒトパピローマウイルス (HPV) の予防効果を調べた研究を紹介させていただきます。 研究の紹介の前に、まずは子宮頸がん検診で行う検査についてお話しします。それを理解した方が、ワクチンの効果がより理…

子宮頸がん撲滅に向けたオーストラリアの取り組みの紹介

今回は、先進国の中でも他国に先駆けて子宮頸がん対策に取り組んできたオーストラリアの取り組みを紹介したいと思います。 ・取り組んでいる事 1) 2013年より4価ワクチンの接種に対象者を男子にも拡大 →現在、12~13歳の男女に定期接種として学校で接種 2) 20…

子宮頸がんワクチン接種:WHOの提唱とわが国の現状

これまで、わが国の子宮頸がんの現状, 子宮頸がんの原因 (ヒトパピローマウイルス)と 予防戦略 (子宮頸がんワクチン, 検診), 子宮頸がんワクチン、について解説してきましね。 teammanabe.hatenablog.com teammanabe.hatenablog.com teammanabe.hatenablog.c…