先月、保育園の健診の時に、保育士より、2歳の女児について、「片方の胸がふくらんでますけど大丈夫でしょうか？」と質問をいただきました。
回答は、早発乳房なので経過観察でよいと思います。とお話しました。
早発乳房とはどんな状態でしょうか？
女児で思春期前にみられる乳房または乳腺の腫大（Tanner2度以下）で、身長の急激な増加, 腋毛・陰毛の発生や月経など他の性早熟徴候は伴わないものをさします。
その後の思春期発来や生殖機能は正常に保たれることから（経過観察が必要であるものの）基本的に治療の必要はありません。
頻度は、10万人に約20人程度と報告されています。乳幼児期の発症が多く、2歳以下の発症が60～85％とされます。多くの場合2～3年で症状は消失しますが、軽度の乳房腫大が持続するものもあります。（二次性徴ならTanner2度が1年以上続くことはありません）
ただし、一部の方は、「思春期早発症」に移行する可能性があるので、約3ヶ月毎の受診は必要です。他の２次性徴のサインや身長の急激な増加がなく、腫大した乳房が縮小傾向であれば一安心です。
