外科医でありながら、3人の神経発達症のお子さんを育てている「外科医ちっち」先生の著書です。
この本の特徴は、医師としての視点ではなく、あくまで保護者の立場から語られている点にあります。
本の中では、
・子どもはそれぞれで、そう簡単にはいかないという現実
・親が元気でいることを優先する大切さ
・「今はその時期ではない」と判断し、子どもの成長を待つことの意味
といったことが丁寧に書かれています。読んでいて、「肩の力を少し抜いていいんだ」と思える内容で、多くの保護者の心が楽になるのではないでしょうか。
支援者として感じたこと
一方で、支援者の立場から読むと、次のような気づきがありました。
私たちは「よかれと思って」一般的なアドバイスを伝えることがありますが、現実にはその通りにうまくいくとは限りません。
だからこそ、保護者の方をねぎらい、共感しながら「一緒にできること」を探していく姿勢が必要だと改めて感じました。
また、「支援者だってすべてを解決できるわけではない」「そう簡単にはいかないこともある」という視点を持つことも、保護者に寄り添ううえで大切なのだと思います。