この1週間は、もしクリニックの記念誌なるものを作るとすると、絶対にはずせない1週間でした。超危機的な状況をスタッフの皆様, 助っ人の皆様, 患者さん達のおかげで乗り切ることができました。
7月31日の日曜日にスタッフ2名が諸事情で8/1より勤務できなくなることが明らかになりました。一瞬、休診も頭によぎりましたが、コロナで大変な時期に長期間休むわけにはいきません。他の医療機関にもしわ寄せが行き、地域医療は崩壊してしまうでしょう。残っている人に、夏休みを前倒しにするか、当初の予定通り8/10~8/15にするかアンケートを取りました。ほぼ全員一致で、後者の方を選んだので、頑張って乗り切ることとなりました。
8月1日の朝のことです。複数のスタッフより「○○さんがいないと無理です」という声があがりましたが、私が、「できないではなく、どのようにしたら出来るかを考えるんだ！君達はできるはずだ」と鼓舞しました。この、○○さんに頼る体質を解消したかったこと（○○さんにはもっと休暇を取って欲しいと思っています）や○○さんにはあまり責任を感じないで欲しいという思いもありました。
私自身、問診の打ち込み, 病原体の検査, 新型コロナの発生届その他諸々、事務や看護師のやっていた仕事を引き受けました。私の母も10年以上ぶりに受付に立ちました。初日は慌ただしかったのですが、これならいけるぞと手応えをつかめました。
しかし、8月2日の朝にさらなる試練が。さらにもう1人のスタッフが家庭の事情で出勤不可となりました。事務長（私の母）が「もうやめましょう」と弱音を吐きましたが、私は「もう、すでに患者さんも来院している。誰が地域医療を支えるんだ。しっかりしてくれ」と診療続行を決断しました。看護師のTさんの提案で、3~4年前まで当院にパート事務で勤務していたOさんに、打診したところ、なんとすぐに駆けつけてくれました😭すごく嬉しかったです。また、看護師を事務に回すこと、診療は2診体制にせず、私が1診で行うこと（看護婦不在でも診療を回すことはできる）で対応することにしました。
8月3日からは、看護師のTさんの女子高生のお嬢様も午後の受付を担当してくれました。アルバイト経験なくはじめてのお仕事だったようですが、前日に自宅でたくさんシュミレーションをしていただけあって、落ち着いて対応してくれました。残された事務さんが、素人集団の受付に対して怒らずに優しく接してくれたのも大きかったです。
8月4日の休診日に、電子カルテの会社のHenryのCEOの林太郎さんより、「当院の状況をTwitterで見ました。社員さんを派遣しましょうか？」と声をかけていただきました。スタッフにも確認したうえで、全員一致でお願いすることにしました。
8月8日、9日はHenryより社員のIさんがきてくださり、医療現場は初めてとのことでしたが、ポテンシャルが高く、あっという間に戦力になってくださりました。
昨日の勤務終了後は、この難局を無事に乗り切ることができ、肩の力を少し抜くことが出来ました。スタッフの人数の少ない状況でしたが、オンライン診療を含めて1日約100人の患者さんの対応と、この1週間で100名以上の新型コロナ患者さんを対応させてただくことができました。
激務でしたが誰1人イライラせずに働いてくれたことに感謝します。人はいっぱいいっぱいになると本性が出ると言いますが、皆さんいつも通りでした。本当に良いスタッフに恵まれたなぁと帰りの電車でしみじみと思いました。助けにきてくれたOさん、女子高生のお嬢様 (お母さん達の仕事の大変さが分かったって言っていたね😃）
Henry社のCEOの林さん、手伝ってくださったIさんにも感謝致します。あ、10年以上ぶりに現場にでてくれた私の母にも感謝しないと。座骨神経痛にさせてしまいごめんなさい😅最後になりましたが、当院を受診した皆様にも感謝します。色々とご不便をおかけしたにもかかわらず、クレームがほとんどなく、何人かの方からは差し入れまでいただきました。おかげさまで、スタッフが心折れることなく乗り切ることができました。
今回、診療を続けて良かったとは思っていますが、運営者としては、賛否両輪あるところだと思います。毎回、これではみな疲弊してしまいます。今後、いつ、だれが突然勤務に出られなくなるか分からない状況はしばらくの間は続くと思います。それに向けてしっかりと準備をしていかなければいけません。パート事務の増員と並行して、予防接種のWeb予約システム、待ち人数の表示サービス、Web問診などを進めているところです、後は、新しく入る人のための教育体制をしっかりつくっていかないといけないですね。夏休みだからと言って休んでられないや。冬のインフルエンザとコロナのダブル流行に備えていかないと。
