今年は嵐の中での発進&医療状況逼迫について

今日から、今年の診療が始まります。緊急事態宣言前という特殊な状況下でのスタートですね。開院以来初めてではないでしょうか。

 

皆さんは、都内の重症者数が100人超えたと聞いても、ピンとこないかもしれません。

神奈川県は79人ですね。新型コロナウイルスに感染した患者の発生状況 - 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)

これは、大変な数字です。重症者の対応が可能な病院は、大学病院を含めた限られた病院です。重症者はICU病棟という場所で治療をするのですが、横浜市立大学附属病院や聖マリアンナ医大といった大学病院ですらICU病棟は8~10床です。

診療科目・病床数・統計 | 横浜市立大学附属病院 (yokohama-cu.ac.jp) 

聖マリアンナ医科大学病院 (marianna-u.ac.jp)

神奈川県内の大学病院は、横浜市大附属病院, 市民総合医療センター, 聖マリアンナ医科大学病院, 聖マリアンナ西部病院, 東海大学医学部付属病院, 北里大学病院の6つです。

市中病院の中でも救急に力を入れている病院に目を向けてみると、横浜労災病院ICUは10床, 藤沢市民病院6床とありますが、このような病院は少なく、また超重症例は大学病院でないと難しいと思います。今の県内の重症者数が79名というのが大変な状況というイメージをお持ちいただけましたでしょうか?

なら、ICU病床数を増やせばいいじゃないかと思うかもしれません。重症者の管理は中等症者の10人以上に匹敵し、重症者の治療・管理ができる限られた医師や看護師でないと対応が難しく、現状から大きく増やすのが不可能です。

このままいくと、リスクの高い基礎疾患を有する方や65歳以上の方が感染し、重症化しても、治療できなくなるという恐れがあります。さらには他の疾患にも影響は及びます。心筋梗塞脳梗塞など緊急の対応が必要な疾患を発症した時に、受け入れ病院がなかなか見つからず、助かったかもしれない命を落としたり、また助かっても後遺症を残す危険があります。

若い人の中には、感染してもカゼ程度という認識の方もいるかもしれません。自分のことだけでなく、皆様の両親・祖父母・恩師・行きつけのお店の大将などなど大事な人を守るためにも、外出を控えると同時に、マスク, 手洗い, 換気など感染対策をお願い致します。

 

当院としては今週末にさっそくカンファレンスを開き、アレルギー疾患や便秘で1~2か月に1回定期的に通院してくださっている方に、オンライン診療の再開を検討していきたいと思います。ただし、オンライン診療は手間がかかるうえに、診療報酬がとても低くなるという問題があり、当院の運営状況が悪化するリスクがあります。そのため、大変心苦しいのですが、オンライン診療ご希望の方には、利用料をご負担いただくことを

考えております。詳細は決まりましたら、HPなどでなどで周知いたします。