吃音の方への配慮

昨日は、先月録画しておいたNHKハートネットを見ました。テーマは「吃音」でした。

吃音って何?という方も少ないと思います。俗語では「どもり」です。

吃音には3種類あります。

1.音のくりかえし(連発) 例. せ、せ、せんせい

2.引き伸ばし(伸発) 例.せーーーんせい

3.ことばを出せずに間があいてしまう(難発、ブロック) 例.・・・・・せんせい

吃音は、幼児期の発症が多く約5%に見られます。そのうち約80%は小学校入学前には自然軽快しますが、なかには成人期にも続く場合もあります。成人の当事者の方2名が出演しておりましたが、私達には想像できない、負担や不安を抱えながら生活していることを知りました。番組の最後に、知っておいてほしいこと3つが挙げられました。

1. アドバイスに傷付くこともある

よく、「ゆっくりでいいよ」と言ってくれる人もいるようですが、それは逆に、「どもらずに話しなさい」と言われているようで傷付くこともあるようです。吃音はゆっくり話したからと言って完全に解決はするようなものではありません。私自身も言ってしまいそうなので、気を付けなければと思いました。待つ姿勢、がありがたいようです。

また、出演者より、親切がありがたいと思う反面、傷付くこともあるという話がありました。例えば、質問されて、詰まっている時に、相手から「Aだろ」と代弁されてしまった時です。私達だって、話をかぶせられるとイヤですよね。相手の代弁が間違っている場合もあります。「Aだろと言われたが、実際はBだった・・・」言い直すのが負担で、自分の気持ちとは違うことをせざるを得なくなったという辛いこともあるようです。

2.安心感

当事者の方のエピソードが紹介されました。会社員の方で、30人ほどの前でプレゼンをすることになり、上司に相談したところ「俺の顔を見ていろ」とアドバイスされたそうです。当日のプレゼンでは、吃音は出てしまいましたが、上司が終始うなずいて聞いていてくれたので、無事にできたようです。もう1人、飲食店で働く当事者からも良いエピソードの紹介がありました。いつも同じメニューの言葉がなかなか出てこないのですが、厨房の人は、「うん、うん」とうなずいて聞いてくれ、それで安心して勤務できたようです。

3.電話が苦手

これもエピソードの紹介がありました。ある会社員の方は、電話で自分の会社名がなかなかスムーズに言えず悩んでおりました。同僚に相談したところ、会社名をつげるところまで、同僚が対応してくれ助かったという話でした。

 

当院では吃音への治療的アプローチはできませんが、学校の先生に配慮をお願いした手紙を書くなどのことはできるかなと思います。また、私を含めスタッフは「待つ, うなずく」という話を聞く姿勢(これはよく考えれば、相手が誰であっても人の話を聞くうえで当たり前のことですね)を意識していこうと思います。