お母様からの質問 「子どもは基礎疾患がなければ、新型コロナで重症化する心配はないでしょうか?」

新型コロナの感染者数の増加に伴い、小児では重症例なかでも死亡例が報告されてきておりますが、外来では、時々、「子どもは基礎疾患がなければ、新型コロナにかかっても大丈夫ですよね?」という質問をいただきます。  

答えは、頻度は低いかもしれませんが、基礎疾患のないお子様でも重症化する可能性があります。また、分類上は軽症であっても、脱水やけいれんで入院を要する場合もあります。お子様が5~11歳であれば新型コロナワクチンの接種をおすすめしております。

 

日本集中治療医学会の調査が8月30日に発表されました。

酸素の投与を受けたり人工呼吸器を装着したりして、中等症や重症として登録された患者は合わせて220人のうち、2/3は基礎疾患がありませんでした 

小学生以下のこどもが90%以上、急性脳症, 肺炎, けいれんが多かった

新型コロナ感染の子ども 中等症・重症の3分の2が基礎疾患なし | NHK | 新型コロナウイルス

 

2002年1月~8月30日までに全国で10歳未満の死者は17人、10代は9人が確認されております

 

また、軽症例にカウントされても入院を要する場合が少なくありません。今の重症度分類って、肺炎を想定して、酸素飽和度 (SpO2) をもとに分類しているんですね。000936655.pdf (mhlw.go.jp) (p.32参照)SpO2 96%≧なら軽症、93%<SpO2<96%なら中等症Ⅰという様に。したがって、熱性けいれんや脱水で入院を要した場合であっても、SpO2の低下がなければ「軽症」とカウントされてしまいます。当院からもこれまで3名、基礎疾患なく、重症度は軽症でしたが、入院を要しております。

 

お子様の発症による入院や重症化を回避するにはどうすればよいのでしょうか?現状では、ワクチンしかありません

新潟県での2022年7月の調査によると、入院した5~11歳児の約85%がワクチン未接種だったようです。

https://twitter.com/Niigata_u_ped/status/1565217685998571520

5~11歳児のワクチンはデータが蓄積し、安全性の高いこと, 感染後の重症化予防効果の高いことは明らかにされております。

これから第8波や冬のインフルエンザ+新型コロナの同時流行が始まる前に、ワクチンの

接種をご検討ください。