先日 (12月28日)に国立感染症研究所より、新型コロナウイルス感染症による20歳未満の第2報が報告されましたので共有させていただきます。
新型コロナウイルス感染後の20歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第二報) (niid.go.jp)
前回の第1報についてのブログ記事は↓↓
今回は、2022年1月1日~9月20日の期間での新型コロナウイルス感染後の死亡例についてです。計62例 (8/31までの第1報41例を含む) で、オミクロンBA・5の流行期の疫学週2022年28週(7月11日~7月17日)から増加を認め、33週(8月15日~8月21日)が最も多く報告されました。
下表は詳細が明らかで、かつ内因性死亡 (事故などではない死亡)と判断された50例の
臨床的特徴です。
①年齢と基礎疾患の有無
これだと少しざっくりしているので、年齢を細かくみると、下図のようになります。
当時ワクチンの接種対象になっていなかった4歳以下や接種率の低い5~11歳に多いですね。基礎疾患のない方が約半数いたことにも留意する必要があります。
②死亡に至る原因について
死亡例としては、循環器系の異常 (心筋炎, 不整脈), 中枢神経系の異常(急性脳症)
が多いという特徴があります。さらに、基礎疾患ありの方は呼吸器系の異常 (肺炎)が原因でなくなることも少なくないようです。
③発症から死亡までの日数について
発症から死亡までの中央値が3日 (基礎疾患あるの方に限定すると2日) と急激な経過をたどることが明らかにされました。
新型コロナウイルス感染症は、頻度は少ないですが、基礎疾患のないお子様でも、あっという間に重症化するリスクがあります。新型コロナワクチンを接種しても感染する可能性はありますが、ワクチンにより重症化予防効果は期待できます。後で「接種しておけばよかった」と後悔しないためにも、私としては「全ての年齢層の小児への新型コロナワクチンの接種を推奨」しております。