【マンガの紹介】君と宇宙を歩くために

 外来で患者さんからすすめられた漫画、「君と宇宙を歩くために」がとても良い漫画だったので紹介させていただきます。

https://booklive.jp/product/index/title_id/1459959/vol_no/001

 漫画には記載されていませんが、主要な登場人物は神経発達症が基礎にあると思われます。主人公は仕事もアルバイトもうまくいかず、やや人生投げやりになっているけど、心は優しいヤンキー高校生の小林君で、おそらく、ADHD(+境界域知能)が基礎にあります。彼が自閉スペクトラム症が基礎にある転校生の宇野君と出会うことからストーリーが始まります。

 小林君は、宇野君の、他の人が簡単にできることに対しても工夫が必要で、生きづらさを感じながらも、日常のルーチンや困った時の対処が記載されているメモを作り、不安だらけの世界(1人で宇宙に浮いている感じと表現)と向かい合う姿に惹かれていきます。そして、これまで自分が苦手な事と向き合わずに、逃げてきたことに気づき、変わっていこうと努力を始めます。

 背景は異なるが、生きづらさや疎外感を感じてきた2人が、友情を育みながら成長していく様子に心が温まります。

 購入し、クリニックに置いておきたいと思います。