【発達支援外来】適応機能のアセスメントvineland-Ⅱ検査が登場!

先日、ブログで、知的機能だけでなく、適応機能を評価することも大事ですよというお話をさせていただきました。知的機能は田中ビネー, WISC適応機能がS-M社会生活能力検査, vineland-Ⅱ適応行動尺度で評価するのでしたね。

 

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今日は、vineland-Ⅱ適応行動尺度について紹介します。

vineland-Ⅱ適応行動尺度とは、社会生活を行う上での、支援の必要性を評価するツールです。vineland-Ⅱは、大きく2つの構成に分けられ、一つは個人の適応行動のレベルを領域ごとに測定する「適応行動評価」,もう一つは,個人の社会生活に関して問題となるような行動を測定する「不適応行動評価」であり,それぞれがより詳細な領域によって構成されています。

適応行動評価は、「コミュニケーション」「日常生活スキル」「社会生活」「運動スキル (6歳まで)」で構成されています。

 

日本版Vineland-II適応行動尺度の概要, 萩原 拓, 児童青年精神医学とその近接領域. 2016.02;57(1):26-29.より引用

 

現在、日本では知能検査による評価が中心ですが、これだけでは、支援の必要性を評価できない場合があります。例えば、知的障害のない自閉スペクトラム症アスペルガー症候群)のお子様は、知能検査では問題なくても、社会性やコミュニケーションで困難を抱えており、支援を要する場合があります。極端な例では、IQ140 (東大に合格できるレベル)であっても、不登校・引きこもりとなってしまうこともあります。

 

検査方法は、本人を最も把握している保護者の方との面接で行います。

所要時間は20~60分です。

検査費用は保険診療の枠で実施 します(医療証があれば負担なし,2割負担で560円)

 

 この検査は、支援の必要性の評価, 支援計画を立てる際の参考にする, 学校・園との情報共有など色々なことに役立てられるかと思います。

 学校や園にお子様に関する心配事を相談しても「勉強がついていけているから問題ありません」「もっと心配な子はたくさんいます」など言われてしまい悩んでいる保護者の方はぜひこの検査をご検討ください。