先日、こども発達支援センターのワーキングメモリー (講師:前田智行先生)に関する講演を視聴しました。質疑応答も大変勉強になりました。
ワーキングメモリーとは、作業記憶といって、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する能力です。私は、ワーキングメモリがおそらく低く、頼まれていたことも、別のことが目にはいると、すぐに忘れてしまいます。先日も歯科医院を受診するときに、歯ブラシを持って行くことを覚えていたのに、電車の中で読む医学書をカバンに入れているうちに忘れてしまったり😔そんなレベルのことが小さい頃からしょっちゅうあります。小学校の時には、度々、行方不明のプリントがランドセルの底でぐちゃぐちゃになっており、毎日のように、母に叱られておりました。
診察室でもこれでは患者さんに迷惑をかけてしまいます。講義を聞いて、私なりに工夫していたんだなと思いました。
まずは、自己理解がとても重要と思います。自分でもミスしやすいと自覚していると自然と確認するようになります。最後に目を通すことで、ミスの何割かは防げます。後は、周囲に援助を求める事も大事ですね。よく、患者さんに、電子カルテを入力後に「今日の薬は、○と△と・・・4種類ですね?」というように確認を求めることもありますし、看護師さんや事務さんに「○○覚えておいて」とお願いすることもあります。
後は、上の図のように1つずつお話をしてもらうことも対応策になります。カゼと便秘と皮膚についてまとめてお伺いしていたら絶対にもれが出てきてしまいます。処方も全てまとめてではなく、その都度都度入力しています。「軟膏もお願いします」と言われたときに、最後に入れようとすると、かなりの確率で抜けてしまいます。学会の質疑応答でも「質問が2つあります・・」と言われたら「質問は1つずつでお願いします」と先制攻撃をしておきます。その他、周辺の環境が大事ですね。スタッフの話し声やドアを閉める音が大きかったり、診察室に出入りする回数が多いとそこに注意がいってしまうので、「細かいなぁ」と思われかもしれないと悩みつつ、度々気をつけるようにお願いしております 。最後に、診察室だけではありませんが、ポストに投函する、○○へメールの返信をするなど、小さい仕事もスマホのリマインダーに全て入力し、終わったら消していくようにしています。これをやっておかないと、重要度の低いたくさんの事が先延ばしになってしまいます。なお、スマホは必ず見るので、メモをしたことも忘れる、ということはなくなります。
こういった工夫をしているものの、まだ100%ではありません。時々、薬局より、問い合わせが来ると、「患者さんに迷惑をかけてしまった」と軽い自己嫌悪に陥ることもあります。限りなくゼロミスに近くなるよう工夫は続けていこうと思います。
この記事が、お子様のワーキングメモリが弱くて、悩んでいる保護者様・お子様の参考になれば幸いです。