認知機能に関する講演を聴いて

先日、こども発達支援研究 (こはけん)さん主催の講演発達障害の認知機能と支援」(講師:今井正司, 川村学園女子大学) を視聴しました。演者の先生やこはけんさんに迷惑がかからない範囲で学んだことや感想・コメントを書きたいと思います。

内容は、脳科学を生かした支援で、実行機能へのアプローチについて解説してくださいました。実行機能とは、簡単に言うと「物事をやり遂げる力」です。

実行機能は、主に、1)ワーキングメモリー (作業記憶) , 2) 注意制御, 3) メタ認知、の3つに分けられます。

※ワーキングメモリー:情報を保持し処理する能力 

メタ認知:自分を客観的にみる力

一般的に、ワーキングメモリーは、鍛えることは難しいです。授業の工夫が大事とお話され、講演自体がとても良い見本になっておりました。私自身も仕事では意識しております。伝え方の工夫は、支援を要する人だけでなく、全ての人に有用です。

例えば、看護師さんに、患者さんへの資料の配付と予防接種の相談をお願いしたいとします。

a. 鶏卵アレルギーの説明資料を渡すのと次の予防接種の相談をお願いします

b.お願いしたいことは2つ。1番目は、.鶏卵アレルギーの説明資料を渡す. 2番目は、次回の予防接種の相談

どちらがわかりやすいでしょうか?私は、いつも「b」の話し方を意識しております

注意制御は、意図的な注意 (能動的)自動的な注意 (受動的)な注意に分けて考えます。意図的な注意は、観察ならびに制御ができる状態で、興味のないことにも注意を向けたり、複数課題の切替え、複数課題の同時進行、にも関連してきます。もちろん、本人が注意を向けやすいような環境調整が重要ですが、意図的な注意をトレーニングする方法も紹介していただきました。なんだか、ビジョントレーニングの聴く力版みたいだなと思いました。

メタ認知については、成長的思考態度 (くじけない, 批判から学ぶ, 挑戦を受容するetc) 

を育てるのが重要で、ほめ方のポイントが解説されました。以前、おすすめしたてい先生の本にも同様の事が書いてあります。てい先生も認知機能について勉強したのかな?

 

teammanabe.hatenablog.com

とても、密度の濃い90分間で大変勉強になりました。

早速、twitterで、今井先生をフォローしました。今井正司 (@Imai_Shoji) / Twitter

学んだことは、外来で皆様に還元して行ければと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

f:id:teammanabe:20220403054842j:plain

ACイラストよりダウンロード