知的発達症(知的障害)は知能と適応機能で判断する

今日は知的発達症(知的障害)の判断基準についてお話します。

 

知的発達症の判断は知能検査や発達検査のみでは不十分かもしれません。

ICD-10 (WHO)やDSM (米国精神医学会)では、

・発達期 (18歳未満)に生じること

・知的機能が低いこと

・適応機能が低いこと

と定義されています。

 

では、知的機能とは何でしょうか?

医学書を読むと、抽象的思考能力, 学習する能力, 経験から獲得する能力, 目的的に行動し、能率的に環境を処理する個人の総合的・全体的能力と記載されていますが、何のこっちゃという感じですよね😓

簡単にまとめると、言葉や記憶などを使って、様々なことを理解したり、考えたり、推測したり、学習したりする能力です。以前に視聴した講演では、色々な力の集まり、おかれた場面でこなす力、と講師の先生が表現しておりました。

つまり、知的発達に遅れがあると生活に困難を生じやすくなります

 

知的機能はWISCや田中ビネーで測定します。

当院では、WISC-V検査を実施しております。

 

次に、適応機能とは何でしょうか?

個人の自立や社会的責任という点でコミュニティの標準を満たせるかどうかです。

もっと、ざっく言うと、日常生活を送る力です。

主に以下の3つの領域で検討します

概念的:読み書き・数字・計画立て・記憶 言語や学力との関連が深い

・社会的:対人関係・コミュニケーション・判断

・実践的:着替え・お金の管理・余暇活動

 

vineland-ⅡS-M社会生活能力検査で評価します。

当院では主にvineland-Ⅱを実施しています。

各アセスメントについては後日紹介していきます。