お母様からの質問 喘息発作の時に気管支を広げるお薬について。「内服薬とテープの違いは?」

先日、気管支喘息で定期通院中のお母様より、喘息発作時の気管支を広げるお薬(気管支拡張薬)について「内服薬とテープはどこが違うのでしょうか?」という質問をいただきました。とても重要な質問をありがとうございます👍

回答としては、「内服薬は即効性がありますが持続時間は弱い、テープは効果が出るのに時間はかかりますが、24時間持続します。お子様の状況に応じて使いましょう。両者の併用は控えておいた方が良いでしょう

 

 喘息発作時の治療薬は、β2刺激薬という、発作により収縮した気管支を広げる薬が中心となります。

ぜんそく発作時の状態は過去記事をご参照ください↓

teammanabe.hatenablog.com

 

 内服薬効果の発現は内服は30~60分で即効性がありますが、作用時間は8~10時間と短めです。その一方で、テープ効果発現に4~6時間、最高血中濃度に達するのは8~12時間後と遅いですが、24時間持続します。即効性では、内服薬>テープ、持続性ではテープ>内服薬です

 明らかにゼーゼーしていて苦しそうな時は内服の方が良いと思います。ピークは過ぎたけど、明け方だけ咳が出るような時はテープの方が良いかもしれません。

 お子様がお薬を服用できるかどうか, テープで皮膚がかぶれないかなどと合わせて、状況に応じて内服薬とテープのどちらを使うのか検討していきましょう。

 なお、他院の処方でよく目にしますが、内服薬とテープの併用は過量投与となり、動悸, 不整脈, 手のふるえ, 嘔気・嘔吐が出現する恐れがありますので控えておいた方がよいでしょう (小児喘息ガイドライン2020では注意して使用と記載あり)

 

 なお、吸入薬は、短時間作用型のβ2刺激薬 (気管支拡張薬) であれば、内服やテープとの併用は可能です。短間作用型のβ2刺激薬は病院や家庭でネブライザーを用いて行う吸入薬です。この吸入薬は3時間ほどで代謝されるからです。 

その一方で、長時間作用型のβ2刺激薬 (アドエアR, フルティフォームR) では、内服やテープとの併用はできないので注意が必要です (先日、他科の先生が、アドエア+テープ+内服を継続しなさいと指導しているのをみて血の気がひきました😱)