昨日、日本小児科学会より、新型コロナワクチン生後6ヶ月~5歳未満への接種を「推奨する」と発表されました。生後6か月以上5歳未満の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY (jpeds.or.jp)
近日中に、生後6ヶ月~4歳への新型コロナワクチン接種についてのまとめを記事にする予定ですが、その前に、2022年9月14日に国立感染症研究所より発表された小児の死亡例についてのデータを紹介させていただきたいと思います。
新型コロナウイルス感染後の20歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第一報):2022年8月31日現在 (niid.go.jp)
2022年1月1日~8月31日までに新型コロナウイルス感染症により死亡した20歳未満は41例 (0歳が8例, 1~4歳が10例, 5~11歳が17例, 12~19歳が5例)でした。
下図は発症日の明らかな33例の発症時期ですが、オミクロンBA・5の流行期の7月中旬より増加しております。
下表は詳細の明らかな29例の臨床的特徴です。
・5歳未満の40%, 5歳以上の60%は基礎疾患なし
・死亡例としては、循環器系の異常 (心筋炎, 不整脈), 中枢神経系の異常(急性脳症)
が多い
・発症から死亡までの日数が0~2日 (31%), 3~6日 (42%)と、発症から1週間未満の死亡数が73%と急激な経過をたどる
、ということが明らかにされました。
これはあくまでも死亡例で、詳細の報告はまだありませんが、脳症により。後遺症を残す例もあるかもしれません。栃木県の自治医科大学だけで、今年の1~9月までに急性脳症例を13件対応していたようです。
新型コロナ感染の子ども 急性脳症で搬送増加「すぐ連絡を!」|NHK 栃木県のニュース
新型コロナウイルス感染症は、頻度は少ないですが、基礎疾患のないお子様でも、重症化のリスクがあります。
新型コロナワクチンを接種しても感染する可能性はありますが、ワクチンにより重症化予防効果は期待できます。
後で「接種しておけばよかった」と後悔しないためにも、私としては「全ての年齢層の小児への新型コロナワクチンの接種を推奨」しております。