先日、発達支援外来で、消しゴムを使うと紙が破れてしまいます、何か良い方法はありますか?というご相談をいただきました。
消しゴムを使うたびに紙が破れるとなると大変ですね。また、紙が破れなくても、きれいに間違えた部分だけを消せないと、繰り上がりの計算の時に覚えておくために書いておいた数字など必要な情報まで消してしまう悲劇が起こりえます。
発達支援グッズを販売している,できるびさんからは以下のアドバイスをいただきました
小学校の情緒学級を担任されている先生によると、やはり消しゴムで苦労されている子どもたちが多く、スティック型の消しゴムを推奨しているそうです。これだと、力のコントロールがしやすく、消したいところがピンポイントで消せるので、かんしゃくを起こさず学習が進められるようです。
後は、作業療法士の鴨下賢一先生の著書「発達動作が気になる子への生活動作の教え方」にもポイントが書いてありました。
発達が気になる子への生活動作の教え方―苦手が「できる」にかわる! | 賢一, 鴨下, そのみ, 中島, 加奈子, 立石 |本 | 通販 | Amazon
想定される原因として
① 両手がうまく使えない
②感覚の未発達
③力のコントロールが苦手
④ものを見る力が弱い
⑤身体のイメージがとらにくい
などが挙げられる
① 両手がうまく使えない
紙をうまく押さえる方法を教える
消しゴムを持っていない方の手で、適切な場所をうまく抑えないと紙がくしゃくしゃになったり破れたりする。親指と人差し指を開いてできた空間に消したいところが入るようにして押さえる。
②感覚の未発達
日頃から指と手のひらで押さえる感覚を育てる。テーブルをふきんで拭く時に、指と手のひら全体で押さえる練習をしよう
③力のコントロールが苦手
滑り止めシートを利用する
などを使用する
④ものを見る力が弱い
拡大コピーなどで見やすく
漢字や筆算の計算式が、どの部分をけしたらよいのかわかりにくくなる子におすすめ
⑤身体のイメージがとらえにくい
紙の向きを変えて前後の動きで消す
左右の動きが難しいようであれば、紙の向きを変えて前後の動きで消すべし
手で押さえる場所がわからない場合は消す部分の横に手を置こう
私達がなにげなくやっている、消しゴムで消す動作も実はこんなに奥深いんですね!