小中学校のデジタル教科書 24年度に本格導入

3/18の朝日新聞記事で、小学校用の教科書が次に改訂される、24年度デジタル教科書を本格的に導入する最初の契機と位置付けることが文部科学省有識者会議で提言(中間提言)された。なお、24年度に完全移行する前提ではなく、当面は紙との併用も視野に慎重な対応をしていくことになる。

まずは、新聞記事のまとめを(~ます調での記載は私の追記です)

【現状は?】

・デジタル教科書は19年度より使用可能となった。

・21年度には「授業時数の1/2未満」の制限が撤廃

97%自治体が1人1台のパソコンやタブレット端末の配備の準備を完了

・21年度より、希望する小中学校に小5~中3に1教科で使ってもらう実証実験

 を行う。

【メリットは?】

図・写真を拡大でき、細かい箇所まで見られる

音声読み上げ機能により、読み書きが困難な子どもの学習が容易

    (読み上げている場所にマーカーが表示されるアプリもあります)

動画や音声の併用で学びを広く深くできる

【懸念される点】

・教育格差の拡大:デジタル化により教育がいきわたらない子や貧富の差が出てくる

・使いすぎることによる脳の発達への悪影響の可能性

・現状では、導入の実例が乏しく、教育効果やメリットは十分に検証されていない

・紙の教科書は国費負担だが、デジタルは導入する自治体の財政負担が生じ、普及が進  

 むかは未知数

・教師のICT活用指導力の向上が不可欠

                                  (以上)

私としは、どこまでをデジタル化するとか決めるのではなく、個々の生徒に、両方を経験してもらったうえで、選ばせてあげてほしいと思う。もちろん状況によって使い分けるのも良い。例えば、私は、PC画面の方が、紙より読みづらいし、読むのに時間がかかる。そのため、重要度の低い書類はPCで読み、大事な書類は印刷し、確認している。また、読み上げ機能はG-mailを見ている時に時々間違って発動してしまうが、はっきりいって、たどたどしく、自分で読んだ方がずつと早い。

また、私としては、1) 紙ベースの授業は、左手で紙を押さえて、右手で鉛筆により書字をすることで、目と手の協応がはぐくまれている面もあったのではないか 2) 読み書きが困難な児の診断の遅れにつながらないか(支援も遅れる)3) 知的障害や神経発達症を有する児にとって、タブレット端末の使用がかえって負担にならないか(紙よりも難しく感じることがありうる)4)教育現場での混乱、などが心配である。

繰り返しになるが、生徒の多様性を尊重してほしい。また、導入後の評価をきちんとし、全ての子どもが、良い学びができるよう、検証を続けて欲しいと思う。