先日、「運動の不器用さがある子どもへのアプローチ (著者:東恩納拓也) 」を読みました。
発達支援外来では、不器用さに悩む子が多く、この本を手に取ったのですが、一般の方にとっても比較的分かりやすく書かれていたので紹介させていただきたいと思います。
運動の不器用さとは、協調運動の困難さになります。協調運動とは、何かの活動を行うために、同時に複数の身体部位を動かしたり、目で見た情報を正確に捉えながら運動したりするような複雑な運動です。例えば、板書は、黒板をみながら、利き手で鉛筆を動かします。反対側の手ではノートを押さえないといけません。私達は、これだけ複雑な動作を一見すると無意識にやっているのです。
この、協調運動の苦手さにより日常生活に影響が出ている状態 (知的障害や視覚障害などを除く)をDevelopmental Coordination Disorder (DCD, 発達性強調運動障害)といい、WHOによる国債疾病分類 (ICD) にも疾患として明記されています。
自閉スペクトラム症やADHDなど他の神経発達症との合併も多いです。
この本では、
・DCDの概要:具体例, 定義, 原因
・アプローチの目的:子どもの生活がよりよくなること
・アセスメント:個人-課題-環境の3つの視点で考える
・アプローチ:
★過程指向型アプローチ (ボトムアップアプローチ)
運動スキル全般 (バランス能力, 筋緊張コントロール, 視知覚機能) を高める
★ 課題指向型アプローチ (トップダウンアプローチ)
ボールを投げる、縄とびなど課題に特化
最近、話題のCO-OPアプローチという、子どもを中心にして、一緒に解決法を考えていく、アプローチ
・粗大運動・微細運動に対する実際のアプローチの紹介
・集団アプローチの紹介
などが、とても分かりやすく紹介されています。超ざっくりでごめんなさい💦)
発達支援に関わる方すべてにおすすめしたい1冊です。