ワーキングメモリーへの支援

週末は、ワーキングメモリへの支援についてのWeb講演 (講師:ノートルダム清心女子大学;湯澤美紀先生) を視聴しました。ワーキングメモリとは、短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力です。例えば、幼稚園で、リュックから水筒を出してて、クラスのカゴに入れなさいと先生から指示が出されたとします。ワーキングメモリーが弱いと、途中で何をするんだったか忘れてしまう事があります。

残念ながらワーキングメモリーを鍛えて大きくする方法はありません。それではどのように支援していけばよいのでしょうか?一つは、脳に入る情報を少なくし、オーバーフローを回避することです。学習することを複数の段階に分けるスモール・ステップで取り組みます。ただし、スモール・ステップにした時に、何が最終目標だったのか、ゴールを見失わないよう注意が必要です。もう1つは、長期記憶の利用です。例えば、文章を読んだ時に知っている言葉が多いほど、脳への負荷は減ります。長期記憶化するにあたり、個々に合わせた記憶方略も大事です。方法としては、言語記憶, 視覚記憶, エピソード記憶などがあります。お子様自身が小学校低学年のうちに自分にはどのような方法が合っているかをつかみ、大きくなったら自分で応用していくのが大事です。

また、個々の発達特性の把握も重要です。注意を向けるのが苦手なのか?書くことが苦手なのか?感覚過敏はないか?などなど。

ワーキングメモリは奥深く、私もまだ理論を理解しきれていませんが、外来でご相談いただいた際は、一緒に考えていきたいと思います。