【再投稿】発熱時のケア 

 4月になり新たに保育園に通園するお子様もいらっしゃるかと思います。昨日は、

通園して数日で保育園の洗礼を受けて、感冒症状で受診したお子様がたくさんいらっしゃいました。

 今日は、当院でプリントとして配布している、発熱時のケア、を出血大サービスで公開しちゃいます。お母様より、よくいただく質問をカバーできていると自負しております。家庭でのケアのご参考になれば幸いです。

 

1.発熱について

発熱は体が病原体と戦っている時の反応で悪いものではありません。小児科医は体温だけでは重症度を判断せず、日常生活に支障がないかを大事にしています。例えば、1歳児に39度の発熱があっても、遊べていて、水分を摂取できている状況であれば、その時点では心配は少なそうです。体温は客観的に数字で評価できるため気になるところだとは思いますが、お子様の様子 (食べる・寝る・遊ぶができているか) を見てあげることが大事です。

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2.発熱時のケアについて

(1) 衣服の調節

吸湿性のよい服を1枚だけ着せて、あとは掛け物で調整するのが良いでしょう。

寒がっているときは、毛布を掛けたりして体を温めましょう。暑がっているときは肌着1枚にし、夏であれば冷房を活用しましょう。

(2) 冷えピタ

気持ち良いかもしれませんが、体温を下げる効果は大きくありません。また、特に乳幼児では、まれにずり落ちて鼻や口をふさぎ、窒息という危険もあり注意が必要です。

(3) 解熱薬

Q1.解熱薬を使うタイミングを教えてください

A.解熱薬には、発熱の原因となるウイルスや細菌をやっつける作用はなく、使用したからといって、発熱期間が短縮されるようなことはありません使用目的は、高熱による苦痛や不快感 (寝苦しいなど)を一時的に緩和してあげることになります。したがって、39度以上あっても元気に走り回っている子どもに解熱薬を使う必要はありません。逆に、37.8度でもつらそうであったら使ってあげて良いと思います。

 

Q2.解熱薬を使っても、平熱に下がらなくて心配です

A.平熱まで下げるのが目的ではないのです。小児の解熱薬として一般的な、アセトアミノフェンは、解熱効果は1~2℃, 効果がピークに達するのが3~4時間とされています。1度でも体温が下がり、その間に水分摂取や睡眠ができれば有効と考えます。

 

Q3.座薬と飲み薬はどちらが効きますか?

A.効果は同等です。お子様の状況により使い分けます。服薬がとても苦手な場合、ぐったりして薬を飲むのがきつい場合、嘔吐がひどい 場合(飲ませても吐いてしまう) は座薬が第1選択になるでしょう。その一方で、おしりから入れるのを嫌がる場合, 下痢のひどい場合は飲み薬が第1選択になるかと思います。シロップなら服用できるというお子様もおりますが、シロップ剤は保存性が悪く、症状が改善したら廃棄しなければなりません。

 

(4) 入浴

高熱でぐったりしている時は避けましょう。平熱でなくても、元気で水分摂取ができていれば、疲れない程度の入浴は問題ないと思われます。

 

2021年9月24日作成 まなべ小児科クリニック 

 

詳しく知りたい方は以下の過去記事をご参照ください

 

teammanabe.hatenablog.com

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