解熱薬使用のデメリットはありますか?

今回で解熱薬ネタはおそらく最後になると思います。「解熱薬使用のデメリットはありますか?」も時々、外来で質問いただきます。

まずは結論ですが、適切な使用をしていればデメリットはありません。辛そうな時には使ってあげましょう

 

解熱薬の内服薬は肝臓で代謝されますが、1日3回、4~6時間間隔の投与を守っていれば肝機能障害を起こす心配はほぼありません。ただし、生後6ヶ月未満の児は体温が下がりすぎてしまうこともあるので、処方を控えております。

解熱薬を使用するとかえって発熱の期間が長引く可能性が指摘されたことがありました。その心配は無用です

18~65歳のカゼで受診した成人174名を対象とした研究 ではロキソプロフェン (ロキソニンR) を服用した人とプラセボを服用した人で、症状の期間に統計的な差はありませんでした。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17675766/

もう1つ、発熱のある生後6ヶ月~6歳の225名を対象に、アセトアミノフェンvs プラセボを検討した試験では、発熱期間 34.7 vs 36.1時間、他の症状72.9 vs 71.7時間で差がありませんでした。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1671951/

使うべき時、すなわち、発熱でしんどくて、食べる・寝る・遊ぶがままならない時は、解熱薬を使ってあげましょう

 

これまでの発熱に関する記事を実践的内容にまとめたものを、クリニックで配布していきたいと思います。もちろん当院を受診した患者さん限定とケチなことはせずこのブログでも公開していきたいと思います。目標は9月中かな。