お父さんの産後うつにも注意

 今日は小児科学会誌2023年1月号に掲載された、日本小児科学会成育基本法推進委員会からの委員会報告 を紹介致します。

 男性の産後うつ育児休業に関するアンケート調査, 日児誌 127: 90-95, 2023

 

🏁 調査の対象は?

健やか親子21推進本部に属する91団体・学会及び応援メンバーに所属し,2020年1月1日から12月31日までの1年間に配偶者・パートナーが子どもを出産した男性会員・男性社員81名を対象に行われました。 

※健やか親子21とは?

「健やか親子 21(第2次)」は「すべての子どもが健やかに育つ社会」の実現を目指し、関係するすべての人々、関連機関・団体が一体となって取り組む国民運動です。期間は平成27年度~36年度で、達成すべき3つの基盤課題「切れ目のない妊産婦・乳幼児への保健対策」「学童期・思春期から青年期に向けた保健対策」「子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり」と、2つの重点課題「育てにくさを感じる親に寄り添う支援」と「妊娠期からの児童虐待防止対策」を掲げています。

資料2-1 表紙 (mhlw.go.jp)

 

ACイラストよりダウンロード

 

🏁 父親とパートナーの属性

【父親の属性】

父親の年齢中央値は33歳でした、職種は専門/技術職33名(40.7%)が1/3を占め,また管理職はわずか8名(9.9%)でした.勤務形態は74名(91.4%)がフルタイム勤務でした

【パートナーの属性】

年齢中央値は32歳で,勤務形態ではフルタイム勤務は43名(53.1%)に留まりました。

無職は27名(33.3%)でした.

【子どもは何番目】

1人目が47名(58.0%)と最も多く,次に2人目(27.2%),3人目(7.5%)と続きました。

 

🏁 父親の育児

【父親の睡眠時間】

1日あたりの平均睡眠時間は5~6時間が35名(43.2%)と最多で、6~7時間が19名(23.5%)と続きました。

【父親の育児・家事時間】

文献より引用

🏁 父親とパートナーの産後うつ

数値は「はい」と回答した割合です。

文献をもとに作成

🏁 父親の育休について

育休を取得したのは25名 (31%) でした。その期間の内訳は、

文献より引用

所得できなかった56名の理由は、1)職場に全例がない18名 (32.1%), 2)理由なし12名 (21.5%), 3) 職場のマンパワー不足 (19.6%)の順に多かった。

 

🏁 いえる事

男性にも産後うつが一定の割合で存在する、また誰にも相談できないケースが少なくない。

 

とても興味深い報告でした。私はうつまではいきませんでしたが、気持ちはよくわかります。出産と同時に奥さんの立ち位置が変わってしまうのが大きいのではないでしょうか。男性の育休体制をしっかりすれば解決するのかは今後検証が必要な部分かと思います。