最近、生後6ヶ月~4歳への新型コロナワクチンの接種が承認されました。接種は、努力義務となるようです。
今日はCDCからの安全性に関する報告を紹介します。
米国では、2022年6月18日~8月21日の間に、約100万人の生後6ヶ月~5歳の児がファイザー社製 (4歳まで)あるいはモデルナ社製 (5歳まで)のmRNAワクチンを接種しております。
日本では、この年齢層は、ファイザー社製になるので、ファイザー社製のデータのみ抜粋してお伝えします。
なお、ファイザー社製ワクチンのこの年齢層のmRNA量は1回3μgで3回接種となります。なお、12歳以上は30μg/回で2回接種, 5~11歳は10μg/回で2回接種となります。つまり、量が成人の1/10量となる代わりに、3回接種となります。
忙しい方のために、最初に結果のまとめを出しますが、
・生後6ヶ月~2歳は副反応として、不機嫌がもっとも多かった。
・発熱例は10%台 (実際はもっと低い可能性がある)
・重篤な副反応はほとんどなし (心筋炎は0例)
・誤接種に注意 (現場の問題)
です。
詳しく読みたい方は、良かったら以下もお読みください。
最初に、v-safeという、患者さんがスマホから任意に登録するシステムからの報告です。
生後6ヶ月~2歳の児が4,749名、3~5歳の児が3,792名回答しております。
まずは、生後6ヶ月~2歳です。
かんしゃく・啼泣は、接種1週間後の期間で、保護者がいつもよりも、泣いていたり泣いていたり, 機嫌が悪いと感じれば「Yes」となるかなり曖昧なものです。そのうち、日常生活に明らかな支障が出たのは、約1.5%でした。眠気も頻度は高かったですが、日常生活に明らかな支障が出たのは、約1.2%でした。
次に3,4歳のデータを示します。
接種部位の反応が生後6ヶ月と比較して高いのは、症状をある程度表現できるからかなと思います。
発熱の割合が10%以上と高いように見えるかもしれません。しかし、これは自発的な報告なので、お子様が発熱した人ほど報告しやすい可能性があります。また、接種後1週間の発熱を見ておりますが、この年齢層は、特に集団生活をしているまたはきょうだいのいるお子様の場合、種々のカゼウイルスに感染しやすくなります。何が言いたいかというと、ワクチンが関連した発熱は実際はもっと低いでしょう、ということです。
実際に、治験データでは、発熱は生後6~23ヶ月では約7%, 2~4歳では約5%でした。
次にVAERS(Vaccine Adverse Event Reporting System)のデータです。
v-safeがスマホで各個人が簡単にサクッと登録できるのに対して、VAERSは副反応報告書のようにカッチリした登録となります。
VEARSは年齢をまとめての結果となります。
約496例が報告されました。約60万に接種してこの数なので、副反応が重たい症例に偏っている可能性がありますよね。すなわち、「これは!」という例が中心に報告されているのでしょう。
496例のうち、重度と判定されたのは10例 (2%)でした。そのうちけいれんが5名を占めておりました。なお、心筋炎の報告例はありませんでした。
特記すべきは、医療機関側の問題ですが、接種量のミスなどが278例 (56%)と半数以上をしめていることです。
そのうちの30例 (10.8%)に副反応が出現しております。幸い、重篤な副反応はありませんでした。
種類が、12歳以上、5~11歳、6ヶ月~4歳と3種類あるからですね。曜日でどの種類を接種するか決めるなどミスのないよう細心の注意を払っていきたいと思います。
以上になります。また、有用な情報が入り次第、随時upしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。