コロナワクチンはオミクロン株感染時のMIS-C発症リスクを89%低下させます

最近、新型コロナウイルス感染症後の、多系統炎症症候群 (MIS-C) という病態の報告例増加しているという記事を読みました。

コロナ感染後の子ども 心臓の働きなど悪くなる症状 全国調査へ | NHK | 新型コロナウイルス

MIS-Cとは、新型コロナウイルスに感染した2~6週後に、発熱, 腹部症状 (腹痛, 嘔吐, 下痢),  循環器症状 (血圧低下・心機能低下など)発疹, 眼の充血, 神経症状などをみとめる状態です。ウイルスが直接悪さをするというよりは、体の免疫反応によると言われております。重症化しやすく約70%にICU管理が必要とされています。

 

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最近、新型コロナウイルスのオミクロン株感染時のMIS-Cのリスクとワクチンの効果を検討した論文が発表されたので紹介させていただきます。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35675054/

 

デンマークの0~17歳の国民を対象とした研究です。

MIS-Cを発症した人数とPCRで陽性が確認された人数より総感染者数を推計し、MIS-C発症のリスクを検討しております。

 

まずは、オミクロン株と他の株との比較です。

オミクロン株は他の株と比較し、MIS-C発症リスクは86~88%低いと推定されました。

他の株は桁が違いますね。

論文中の表を改変し引用

次に、オミクロン株感染時のワクチンによる発症予防効果です。
発症リスクは未接種だと約2.9万人に1人, 接種していると27万人に1人ですね。

ワクチン接種により、感染時のMIS-C発症を89%予防できます。

論文中の表を改変して引用

 

頻度はとても低いですが、発症すると重症化リスクの高いMIS-C。それを90%近く予防できるのも、コロナワクチンを接種する意義の1つになるかなぁと思います。