今日は、7月下旬にイスラエルより報告された、5~11歳への新型コロナワクチンの効果についての論文を紹介します。
論文は、
です。
まずは、結論から。
初回接種後14~27日後の発症予防効果は18%, 2回目接種後7~21日の発症予防効果は48%であった。効果は、5,6歳児>10,11歳児であった。
✎どんな研究?
イスラエル最大手の保険サービスに加入している5~11歳児が対象。2021年11月23日 (5~11歳への新型コロナワクチン接種が開始された日)~2022年1月7日 (国の新型コロナの検査方針の変わった日)の期間に、ワクチン接種群とワクチン非接種群で新型コロナの感染・発症を比較。接種群と非接種群は年齢, 性別, 居住区, インフルエンザワクチンの接種歴などの背景が同様の人同士で1:1になるように設定されています。
感染・発症者は全例PCR検査で陽性を確認しています。
✎結果
(1) 累積の発症率
1回目のワクチンを接種してから28日後より、ワクチン接種群とワクチン非接種群の差が拡大しております。なお、無症状でPCR陽性、という方も同様の傾向でした。
下図は横軸が1回目のワクチン接種してからの日数、縦軸が累積発症率です。
(2) ワクチンの効果
下図に初回14~27日後と2回目7~21日後における効果を示します。研究期間が短いので、この期間でしか検討できていないのかなと思います。2回目の接種後は短期間で48%の発症予防効果と10万人あたり約600人の発症抑止効果が見られております。
(3) 2回目のワクチン接種7~21日後における年齢毎の発症予防効果
✎結論
5~11歳への短期間でのワクチン効果と、その効果は低い年齢層ほど高いことが示されました。