水痘ワクチンの予防効果は1回接種で77%, 2回接種で95%

 先日、現在、水痘の発生数自体は減少しているものの、5~9歳の割合は増加しています、ということを紹介しました。この年齢層ではワクチンが未接種あるいは接種していても1回接種の方が多いからです。

 今日は、国内より発表された、水痘ワクチンの接種効果についての論文を紹介したい と思います。

 論文は、

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

2015年9月~2016年9月に行われた研究です。愛知県内の14箇所の診療所で15歳以下の小児を対象に行われました。

遺伝子検査できちんと診断した水痘の患者さん182名と同時期に別の理由で受診した323名の患者さん (コントロール群) とで比較しております。

 

両者の背景は以下です。

文献の一部を抜粋し和訳して作成

水痘が定期接種化され、2回接種が推奨されたのは2014年10月からなので、まだ2回接種している方は少ないですね。

登校・登園率や兄弟姉妹の数は水痘患者さんのグループの方が少し多いですが、次の解析では、そのあたりも調整した上での解析となっております。

 

では、結果はいかに

文献より抜粋し作成

予防効果は1回接種は76.9%ですが、2回接種は94.7%と2回接種でより予防効果が上がります。95%CIとは、100回検討したら95回はその範囲におさまりますよということですが、2回接種の方では、ワクチンの効果は、86~98%範囲も狭くなっております (確実に効果ありそうですね)

 

小学生以上の水痘患者さんは時々おみかけしております。1回は接種しましたという方も少なくありません。学校を約1週間欠席しなくてはいけなくなってしまいます。自費接種となってしまいますが、今後の感染予防のために、接種をご検討ください。