どの療育をやるかは重要ではない?

いきなり過激なタイトルですみません。今回の記事は、あくまでも私個人の感覚で、論文を引用した根拠があるわけではありません。そこを踏まえてお読みになってください。

ここ最近、自閉スペクトラム症児への早期療育の取り組みが発表されています。昨年の児童精神青年医学会でも、ESDMというABA(Applied Behaviour Analysis; 応用行動分析)とPRT (Pivotal Response Treatment)を組み合わせた療育の効果を検討した発表がありました。療育には色々な種類があります。ABA (応用行動分析), PECS (絵カードコミュニケーション), 感覚統合療法などなど。それぞれの専門家が、〇〇の方法が最も優れていると、こだわりを持って取り組んでいらっしゃらると思います。私の診療している中での感覚では、どの療育を選ぶかよりも、保護者がお子様のために一生懸命かかわろうとしていることが最も成長につながっていると感じております。私自身、どの療育方法を推すとかはなく、それぞれの良いところをお子様の状況をみながら、診療に絡めております。しかし、自閉スペクトラムの特性のある児は、こちらからアプローチしても反応の薄いことが少なくなく、心が折れてしまいそうになることも少なくないかもしれません。こんな時は外来で気軽にご相談ください。私も一緒にアプローチさせていただきます。とりあえず、多くの児に有効と思われるアドバイスを1つ。まずは体遊びをやってみましょう。高い高いや人手があればタオルケットでハンモックを作りユラユラなど。お子様に喜んでいる様子が見られればチャンスです。そしたら、わざと動きをとめましょう。そこで、目を合わせたり、手をつかんできたりといった方法で要求があればしめたもの。すぐに「楽しいね~」などと声をかけながら、動かしてあげましょう。繰り返すことで対人への意識は伸びていくでしょう。また、長崎大学の岩永先生の著書にありましたが、圧刺激振動刺激を嫌がる子はほとんどいないようです。全身を圧をかけてマッサージしたり (歌を歌いながらでもよいかも), お子様を仰向けにして両足を持ってブルブルしてみると何かが起こるかもしれません。