【発達支援】JASPERという早期支援プログラム

先日、JASPER (Joint Attention, Symbolic Play,  Engagemen and Regulation)という自閉スペクトラム症への早期支援プログラムの概要についての講演を聴講しました。言葉の発達には、共同注意(Joint Attention)という、指さしや視線などの身振りを使って相手と同じものを見る(共有する)ことが重要です。定型発達の場合、1歳半頃までには共同注意の発達がみられ,対象物の共有をしながら大人が言葉を発する(ワンワン、ブーブーなど)ことで言葉を獲得していきます。自閉スペクトラム症児はそこが弱く、JASPERは、遊びを通して他者と物事を共有する力に働きかけ,対人関係における自発的な関わり合いを促進させることをターゲットにしています。JASPER では子どもが共同注意・要求行動・遊びに関して,どのようなことができるのかを約15分ほどのアセスメントをした後、介入していきます。このアセスメントは専門家だけでなく、保育園や当院の看護師・事務でも十分できそうです。さて、治療効果ですが、RCT (ランダム化比較試験) というしっかりとした手法で検証されています。対人面が伸び、それに伴い言語面が、介入のない場合やDTTという応用行動分析 (ABA)の手法と比較して伸びが見られています。その後、動画で解説がありましたが、保護者の方(特にお父さん)も気軽にできるんではないかなと思いました。海外では保育園での保育士さんによる介入による効果も報告されているようです。私あるいはスタッフが研修を受けに行けば当院でも何らかの形で、アプローチできるかもしれないと思いました。

余談ですが、内容としては、新規性は少なく、インリアルアプローチを取り入れ、遊びに特化した感じですね。手軽にアセスメントならびに実践が可能というのがポイントでしょうか。今後の療育プログラムは、多くの人が手軽に実行できるかつ一定の質が担保されるということが評価されそうですね。

 

※療育の専門家の方から見て、私の認識違いがありましたら、ご指摘いただけると幸いです。