日本陸上競技連盟によると、全国大会に出場した選手を生まれつきでみると
年齢が小さいほど4~6月生まれが多い。下図をみると、小学生の45.4%は4~6月生まれで、それに対して、1~3月生まれは7.3%である。年齢が上がるにつれ、その差は減少している。
奈良女子大スポーツ科学科の中田大貴氏は、奈良県内の小学1~中学3年の体力測定の結果を、年度前半の4~9月生まれと後半の10~3月生まれに分けて比較した。その結果、男子は小学1~中学3年の全学年で、4~9月生まれの方が、体の成長と運動能力値が高かった。下に中学2年生男子の結果を示す。
一方、女子は小5以降はほとんど差がなかった。中田氏は男女の違いは第2次性徴の時期などが影響していると考察している。
中田氏と東京農大の勝赤陽一氏は、野球に取り組む早生まれの割合が、小学生から中学生にかけて減少していることについて、早生まれは試合に出られず、練習の成果を披露できず、頑張りが続かないという可能性を指摘している。
勝赤氏は、この「離脱」を防ぐためには、
・指導者や保護者はその子ができるようになったことに注目し、成長をほめることを
意識する
・集団競技なら体格によって複数のチームを作る、一発勝負のトーナメントではなく、リーグ戦を増やす、
ことが有効という。
以上、3回にわたり、早生まれが不利なことを紹介させていただきました。子どもの教育に関わる人は、このことを知っておくべきと思います。また、どの子もほめて伸ばすことが大事ですね。私が発達支援外来で保護者に最初に説明している「ほめ方のポイント」全てのお母様にいつか説明できる体制を整えていきたいです。