昨日は、早生まれは、学業など認知能力で不利なこと、それを埋めようと頑張って塾通いさせるよりは、非認知能力を高めることが大事とお話ししましたね。
さて、非認知能力とはなんでしょう?認知能力が、学力テストなどで示される能力に対して、非認知能力は「最後までやり抜く」「感情をコントロールする」といった能力をさします。社会的に成功している人は非認知能力が高い傾向にあります。
労働経済学者の山口慎太郎氏によると、早生まれの子は、非認知能力についても、同学年の4-6月生まれの児と比べて、低い傾向があります。
非認知能力の一つに自己効力感があります。下図は、小5~中3における自己効力感を示したものです、各学年の左側が3月まれ、右側が6月生まれとなっております。まずは、全体の傾向ですが、小5ではスコアが2.4~2.5あったのが、学年があがるごとに徐々に低下し、中学3年時は2.0~2.1まで下がっております。幼いころは「自分は何でもできる」というう全能感を抱きがちですが、成長とともに力が及ばないことがあると知っていきます。思春期では、学年が進むと下がるのが一般的です。最も注目すべきは、年齢を重ねても、各学年の早生まれ(左) と4月生まれの差 (右) が縮まっていきません。
白梅学園大の無藤隆名誉教授によると、早生まれの子の中には、リーダーについていくだけのフォロワーになってしまう子もいます。同学年が集まる小学校のクラスで、他の子より幼く、力の差はあると、対等に腫脹したり、ぶつかりあったり、妥協したりという経験がしにくく、フォロワーという役割が固定化してしまうことがあります。そうなると、非認知能力の差はなかなか埋まりません。
それでは、どうすればよいのでしょうか?
保護者としては、
・勉強だけでなく、芸術やスポーツ活動も大事にする
・異年齢との交流~年下の友人が近所にいれば人を引っ張る力が育つ
公園や習い事などで異年齢の児と接する機会を作る
学校や社会としては、
・小学校低学年では生まれつきによるクラス編成をする
(玉川学園の取り組みが紹介されていました)
・教員があえて早生まれの子にリーダーシップを取らせる機会を作る
・入試で生まれつきを考慮した合格枠を設けるか点数を補正する、
といった取り組みが考えられます。
明日は、運動面について紹介します。