歯ぎしり

今日は、私自身も悩んでいる「歯ぎしり」について取り上げていきたいと思います。

 

1.歯ぎしりとは

歯ぎしりとは、覚醒時や睡眠時にみられる、無意識に非機能的に上下の歯をこすり合わせたり、くいしばったり、連続的に噛み合わせる習癖のことで専門用語ではプラキシズムとよばれます。それにより、歯がすり減り、歯の知覚過敏, 頭痛や顎関節症などの症状がみられます。

 

国際睡眠関連疾患分類では睡眠関連異常運動症に分類され、睡眠中に歯ぎしりや噛みしめによる不随意運動と定義されています。

 

2.分類

下顎運動の観点から

グラインディング:上下顎の歯をすりあわせて雑音を生じさせる

クレンチング:雑音を生じさせない上下顎歯の強いかみしめ

タッピング:カチカチと上下の歯の動的な噛み合わせ 

医学的な分類

一次性:医学的疾患無し

二次性:睡眠障害, 精神・神経疾患, 薬物などに続発して起こる

 

3.頻度

・11歳以下の小児で14~20%, 18~29歳の成人で13%, 60歳以上の高齢者で3%

  ⇒出現率は経年的に低下する

 (Ohayon MM, et al. Risk facors for sleep bruxism in the general population. Chest    2001:119:53-61.)

4.危険因子

・嗜好物:喫煙, アルコール, カフェイン

・精神心理的要因:ストレス, 不安 

・口腔内環境 (不正咬合, 炎症, 顎関節)

・薬物 (セロトニン再吸収阻害, アンフェタミンなど)

・医学的疾患

・遺伝的要因:一卵性双生児>二卵性双生児

 (HubinC et al: sleep bruxism based on self-reportin a anationwide twin cohort. J Sllep Res 1998; 7:61-67)

 

5.治療

歯科的治療, 認知行動療法, 薬物療法などが挙げられるがいずれも対症療法であり、化学的根拠や裏付けは不純分である

 

他の参考文献

野中和明, 歯並び 歯ぎしり, 小児科 58n(9) 1088-1094, 2017

 

https://teammanabe.hatenablog.com/entry/2024/04/04/051722

 

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