今日は、発達支援外来初診時の困り事についてお話していきたいと思います。
・対象
2020年4月~2021年8月の期間に当院の発達支援
外来を受診した患者104名 (男児75, 女児29)
・方法
診療録より後方視的に、初診時年齢, 診断, 性別
初診時の困り事, 薬物療法の有無転帰について
検討した。
初診時の困り事で多かったベスト3は、1.コミュニケーション面, 2.多動, 3.こだわり行動 (行動の切替えができない) でした。
注目すべきは発達の相談ではなく、咳嗽や腹痛など体調不良を主訴に受診した方が約
1/6もいらっしゃったことです。診察時の会話より神経発達症がベースにあることを
疑い、生育歴を詳しく伺っていくことで明らかになることも少なくありません。
個人的には、感覚調整障害と睡眠をあげた人が少なかったのは意外でした。いずれも神経発達症の人の多くが悩むところですが・・・。確かに、外来で感覚調整障害 (感覚過敏, 感覚低登録)についてお話すると「これも特性だったのですね・・・」と驚かれることが少なくありません。睡眠に関しては、小さい頃からなんで、こんなものでしょうと受け入れてしまっている方が多いのだと思います。