ピックアップ医療ニュース 2023年4月

2023年4月の医療に関するニュースで気になったものをピックアップしました。

1番大きなニュースは経口妊娠中絶薬の承認ですね。良いことと思いますが、その後の中絶数や安全性などはしっかりモニタリングしていかないといけないでしょう。アレルギー専門医としては、乳児期早期からアトピー性皮膚炎と診断し、ステロイド軟膏をしっかり使い介入していくことが重要と質の高い研究で証明されたことは大きいと思います。いまだに皮膚科医は乳児にステロイド軟膏をなかなか使いません。この論文の内容が多くの医師に共有され、鶏卵アレルギーを含めた食物アレルギー発症予防につながれば良いなと思います。

 

【政策】

1.後期高齢者の保険料上限額引き上げ 改正案が衆院厚労委で可決 | NHK | 医療・健康

(概要) 75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の保険料の上限額を引き上げる案。目的は、50万円に増額された出産育児一時金の財源に充てるため。成立すれば、後期高齢者医療制度の保険料は、今の上限66万円から、2024年度には73万円、2025年度には80万円に引き上げられる。

 

【予防】

1.アトピー性皮膚炎の早期治療で卵アレルギーの発症減 研究チーム発表 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

(概要) 生後7~13週にアトピー性皮膚炎と診断された乳児に、積極的にステロイド軟膏と保湿薬を使用することで、鶏卵アレルギーの発症を25%減少させる

 

【診断】

1.ドライアイ診断、アプリで補助 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

【治療】

1.飲む中絶薬、病院待機を必須に 厚労省、月内にも承認審議(共同通信) - Yahoo!ニュース

(概要) 厚生労働省が承認後は当面、外来でも中絶が確認されるまでの間、最大1日程度、病院での待機を必須条件とする方向で検討。薬は「メフィーゴパック」。妊娠の継続に必要なホルモンの働きを抑える「ミフェプリストン」を飲み、さらに36~48時間後に、子宮の収縮を促す「ミソプロストール」を服用する。手術と比べ、体への負担が少ない中絶の選択肢ができると期待される一方、投与後に大量出血が起きることもある。

2.国内初の経口中絶薬の使用を了承 厚労省分科会(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

(概要) 厚労省の分科会は、イギリスの製薬会社「ラインファーマ」の経口中絶薬について使用することを了承。治験では93.3%の確率で、24時間以内の中絶が確認された

3.片頭痛治療に経鼻薬 新日本科学が米で新薬申請 開発25年、初の実用化 高い携帯性「生活の質向上」(南日本新聞) - Yahoo!ニュース

 

【コロナ】

1.コロナ “脳で免疫の働きする神経系の細胞に感染” 慶応大など | NHK | 新型コロナウイルス

脳の中で免疫の働きをするミクログリアという神経系の細胞に感染

 

【その他】

1.精子、卵子“提供者”と“生まれた人”の結びつけ支援へ 新しい民間団体設立(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース

(概要) 不妊に悩むカップルが他人から精子卵子の提供をうけて、妊娠、出産する実態がある中、提供された精子卵子をもとに生まれた人と、過去に提供した人などを結びつける支援を行う新しい民間団体「ドナーリンク・ジャパン」が設立される。産婦人科の医師や精子提供で生まれた人、研究者らが立ち上げたもの。臨床心理士社会福祉士なども所属していて、マッチングの際のサポートや法的なアドバイスを行う。

 

ACイラストよりダウンロード