現在、インフルエンザも新型コロナがどちらの患者さんも混在している状態です。同時に陽性が出たという例も報告されています(当院ではまだありませんが・・・)
現時点では、混合感染すると重症化すると考えられています。
今回は、CDCの調査ネットワーク (米国人口の9~10%を反映) による18歳未満のインフルエンザ感染症による入院例における、インフルエンザ単独感染例 vs インフルエンザ+新型コロナの混合感染を検討した報告を紹介します。
論文は、
タイトル:Prevalence of SARS-CoV-2 and Influenza Coinfection and Clinical Characteristics Among Children and Adolescents Aged <18 Years Who Were Hospitalized or Died with Influenza - United States, 2021-22 Influenza Season
筆頭著者:Katherine Adams
ジャーナル:MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Dec 16;71(50):1589-1596.
調査期間は2021年10月1日~2022年4月30日でした。
インフルエンザ感染症で入院した575例のうち新型コロナとの同時感染は32 例 (6%)
でした。混合感染例の方が、インフルエンザワクチンの接種率が有意に低いという結果でした (データはありませんが、インフルエンザワクチンを接種していない人はコロナワクチンを接種していない傾向があるのかなと思います)
ICUでの治療を要した割合に差はありませんでしたが、人工呼吸管理を要したのはFlu+SARS-COV2 12.5%に対し、Flu単独は4.2%でした (p=0.03)。呼吸補助 (人工呼吸より弱い補助。気管内挿管せずマスクを介しての換気補助)を要したのはFlu+SARS-COV2 15.6%に対し、Flu単独は6.4%でした。
死亡例は44例で、そのうち、新型コロナとインフルエンザの混合感染例は7例 (16%)でした。SARS-COV-2+Flu vs Fluで、両者で差がみられた項目はありませんでした。
この論文からいえることは、1)新型コロナとインフルエンザAは混合感染を起こしうる
2) 混合感染により重症化する可能性がある、3) ワクチンやマスク装着などできる感染予防策をしっかりおこなっていきましょう。