両親の新型コロナワクチン接種は乳幼児の入院リスクを下げる

当院ではすべての小児に新型コロナワクチンの接種を推奨しておりますが、特に

5歳未満の接種がなかなか進んでおりません (全国的な傾向です)

それならばせめて周囲の人は接種しておきましょう、ということを言いたく、フランスからの論文を紹介させていただきます。

 

論文:Analysis of COVID-19 Vaccination Status Among Parents of Hospitalized Children Younger Than 5 Years With SARS-CoV-2 Infection During the Delta and Omicron Waves

筆頭著者:Florie Solignac

雑誌:JAMA Netw Open. 2022 Nov 1;5(11):e2242295

Analysis of COVID-19 Vaccination Status Among Parents of Hospitalized Children Younger Than 5 Years With SARS-CoV-2 Infection During the Delta and Omicron Waves - PubMed (nih.gov)

 

2021/5/12~2022/2/14の期間に入院した599例のうち、両親の新型コロナワクチン接種歴が明らかでかつ5歳未満であった163例を対象としています。

 

デルタ株の流行期に入院した63名は、1歳未満が47名 (75%)で、10名 (16%)がICUでの治療を要しました。両親がいずれもワクチン接種をしていなかった場合と比較して、両親のいずれかがワクチン接種していた場合の入院リスク (95%信頼区間) は、0.03 (0.02-0.06)でした。

 

オミクロン株の流行期に入院した94名は、1歳未満が73名 (75%)で、8名 (9%)がICUでの治療を要しました。両親がいずれもワクチン接種をしていなかった場合と比較して、両親のいずれかがワクチン接種していた場合の入院リスク (95%信頼区間) は、0.21 (0.14-0.33)でした。

 

文献より作成

5歳未満は園での感染リスクもあるかもしれませんが、保護者が接種することで、

入院リスクを低下させることができます。現在流行中のオミクロン株は、従来株のワクチンでは効果が弱く、また半年ほどで効果が減弱します。お子様を重症化のリスクから守るためにも、オミクロンBA・5を含む2価ワクチンに追加接種をお願いします。