2022/11/18午前中にレントゲンとお別れします🙋

 この度、これまで長年当院で活躍してきたX線 (レントゲン) 装置を撤去することとなりました。使用頻度が年に数件となっていたからです。

 レントゲンなくて困らないですか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。回答としては、「レントゲンの所見で治療方針を決める訳ではないので困りません」

 治療方針は、呼吸状態や全身状態 (睡眠状況, 食事接種状況) に基づいて決めるからです。診断面でも、必要性は少ないです。マイコプラズマの診断はレントゲンが有用な場合がしばしばありますが、マイコプラズマには迅速検査がありますし、検査をしなくても、流行状況や臨床症状 (年長児で乾いた咳嗽が続く, 発熱の割には元気など)より疑うことが可能です。今は、インフルエンザ, RSウイルス, ヒトメタニューモウイルス, 新型コロナ, 百日咳と診断キットも充実していますね。

 また、この15年で小児医療の状況もだいぶ変わりました。以前は、近隣の病院も入院を依頼しても受け入れ不可のことがしばしばありました。そのため、当院は、診療所と病院の中間のような役割を果たしてきました。入院を要するレベルのお子様に対しても、連日通院してもらい、抗生物質の点滴などを行っていたようです。そのため、初期評価のツールとしてレントゲンの使用頻度は高かったようです。現在では少子化とワクチンの充実により、入院を要するお子様は激減しました。それに伴いレントゲンの使用頻度も減少しました。

 私は、クリニックで勤務を始めた2018年よりX線の撤去を考えておりましたが、院長や看護師が必要性を訴えていたので、様子を見ておりました。しかし、この5年間の撮影件数の少なさより、メリットよりもスペース面や装置に頭をぶつけるデメリットの方が大きいことを説明し、院長からも撤去の同意を得ることができました。

 

レントゲンさん、これまで当院のために働いてくださりありがとうございました!