患者さんの声 「インフルエンザワクチン2回も接種するのいやだぁ😭」

 現在、毎日多くのお子様・ご家族にインフルエンザワクチン接種をさせていただいております。こども達にとって注射は負担のかかるもの。そのうえ、インフルエンザワクチンって痛いのです。

 先日は、あるお子様より、接種後に、「何で2回も接種しないといけないの~」と言われたので、「海外では条件を満たせば1回になるんだよ~」とお話ししました。

 

 日本では、13歳未満は2回接種, 13歳以上は1回接種を原則としています。それに対して、WHO(世界保健機構)CDC (米疾病対策センター)では、9歳以上は1回でよい、としています。さらに、CDCでは、前年にワクチンを接種した場合は、生後6か月~8歳でも1回でよいとしております。

 

 

さて、なぜ日本は2回接種なのでしょうか?

過去にインフルエンザワクチン接種後に副反応により発熱を出す頻度が高かった時代がありました。それに対する対応策として、1回に接種する量を少なく設定し、効果を保つために、年2回接種となりました。2010年までは、小児のインフルワクチン接種量は、1歳未満0.1ml/回, 1~6歳未満:0.2ml/回, 6~13歳未満0.3ml/回, 13歳以上0.5ml/回であった。それに対して、2011年より、WHOが推奨する用量に基づき、6か月~3歳未満0.25ml/回, 3歳以上0.5ml/回と変更されたが、いまだに接種方法の変更はされておりません。

 それに対して厚労省は、「接種回数の変更にはワクチンメーカーが臨床試験結果などの効果を示し、法に基づく変更申請をする必要がある。一方で、医師の裁量権で接種回数を1回にするのは問題ない。」と回答しております。実際に国立感染症研究所に2018年の調査によると、1回接種だった児も一定の割合で存在するようです。

 1回接種にするメリットとしては、1) こども達の精神的な負担が軽減される。2) 経済的, 時間的な負担が軽減される、ということがあげられます。

デメリットとしては、国内で1回接種と2回接種による有効性の差が検討されていない、

ということがあげられます。

 

 注射がすごく苦手なお子様は、同意をいただければ 、1回接種という選択肢もありますので、気軽にご相談ください、