自閉スペクトラム症児には見通しが大事

発達支援外来で、お母様より「車で30分ぐらいの公園に行く間に何度も、いつ着くのか?という確認がある」という相談がありました。お母様は「いい加減にしなさい」や「もう少しだから」などと答えていたようです。

自閉スペクトラム症のお子様に立場で考えれば、見通しが分からず不安ですよね。

私は、地図を印刷して、今このあたりだよ、など現在地を教えてあげることを提案しました。ついでに道路地図が読めるようになれば一石二鳥です。次の外来でお母様より、ドライブ中の確認がだいぶ減りましたと喜びの声をいただきました。なんと3時間以上かかる祖父母の家のドライブもご両親・本人ともに困らずに行けたようです。

でも、見通しが分からないって誰でも不安になりますよね。私自身もそうなので、外来ではなるべく見通しまで説明させていただいております。例えば、食物アレルギーであれば○○歳に治るのを目標に経過を見させていただきます、RSウイルス感染症であれば今が症状のピークでこの状態が2-3日続いた後に、徐々に軽快していきます、など。病院勤務時代はマイクで患者さんをお呼びするのですが、順番の目安がわかるように「○○時予約の○○君」と予約時間も合わせてお呼びしておりました。

話が脱線しかけましたが、自閉スペクトラム症の方に対しては(誰に対しても大事だと思いますが)、具体的な見通しをつけてあげることを意識してあげてくださいね。