今日は、麦粒腫 (俗称:ものもらい, めばちこ) についてお話します。
麦粒腫は、まぶたにある脂腺や汗腺に細菌がついて、腫れや痛みを生じる疾患です。
睫毛に付属する皮脂腺 (ツァイス腺)や汗腺 (モル腺) に生じたものを外麦粒腫, 脂腺 (マイボーム腺)に生じたものを内麦粒腫といいます。
症状は、まぶたの腫れや痛み, 発赤で、かゆみを伴うこともあります。
化膿が進行すると数日で病変部の中心に黄色の膿点が形成されます。切開排膿のタイミングですが、破れて膿が出て (自壊) 、その後治癒に向かうことがあります。
人から人にうつることはありませんが、目薬やタオルの共用は避けてください。
治療としては、抗生物質の点眼や軟膏を使用しますが、症状が強い場合は内服を要することもあります。冷やすと痛みが和らぐこともあります。お子様が触らないようにするために眼帯を使用することは避けてください。視力の発達を妨げる可能性があるからです。
参考文献
1.野田実香. 小児の霰粒腫治療のコツ, 眼科手術, 2022,35 (2), 263-267.
2.平野澄江. 麦粒腫・霰粒腫は薬だけでは治らないの?, 眼科ケア, 2014, 冬季増刊, 138-141.