「おしりが膿んでいます」~肛門周囲膿瘍の治療は漢方薬が中心

 外来に、「おしりが膿んでいます」を主訴に受診される方が時々いらっしゃいます。肛門の周囲が赤く腫れてて膿をもつようになる病気を肛門周囲膿瘍といいます。

 

1.特徴は?

生後1ヶ月前後~1歳くらいの乳幼児にみられます。

男児が約90%を占めます。

・好発部位は3時, 9時方向です。

1歳過ぎには自然治癒する傾向にあります。

下痢や便秘が発症の増悪要因になります。

 

文献より引用

2.原因

解剖学的な問題, 免疫の未熟性, ホルモンバランスの問題と推測されています。

 

3.治療

・オムツ皮膚炎を原因とするものは、清潔にすることで自然治癒が期待できます。

抗菌薬の内服や外用に治療効果はありません

漢方薬 (最近では、第1選択)  

 急性期:発赤・腫脹あり 排膿散及湯 0.2~0.3g/kg/日 4週間ほど

慢性期:少量の排膿をみとめるが、発赤・腫脹は軽減  十全大補湯 0.2~0.45g/kg/日

切開・排膿 

 

4.専門医療機関へ紹介する状況

 ・上記治療が効果ない場合

・1歳以降も再発を繰り返す場合