今日は、亀頭包皮炎についてお話しします。外来では、「おちんちん (陰茎) が痛い」
を主訴に受診することが多いです。
亀頭包皮炎とは、陰茎の亀頭および包皮に炎症をきたした状態です。
・2~5歳に多いです。
・症状は、陰茎の痛みですが、排尿時痛を訴えることがります。
・炎症が局所にとどまるので、通常は発熱しません
・亀頭および包皮の発赤・腫脹をみとめ、膿を生じることもあります
・主な原因は細菌感染といわれています。
陰部衛生状態が悪く、包皮が常に汚染されていることで発症することが多いです。
炎症部からは、皮膚の常在細菌である黄色ブドウ球菌や腸内細菌である
Proteus vulgaris や morganella morganii が検出されます。
治療
・温かいお風呂につかるだけでも、不快感がやわらぎ、排尿しやすくなります。
・軽症例 (赤みやかゆみ)は、軟膏治療 (抗菌薬・ステロイド) で治療します。
・腫れが強く膿がでた場合は経口抗菌薬を数日~1週間投与します。
・再発の予防として、局所を清潔に保ちます。
入浴時にシャワーで陰茎を洗うだけで十分です
トイレに入った後や外で遊んだ後はしっかり手を洗うようにする
適切な衛生管理ができればほとんどの例で再発はありません。
・亀頭包皮炎を繰り返す場合は、包茎の治療を検討します。
参考文献
1.中村 繁, 他.【子どものコモンな微徴候・微症状】腎・泌尿器 包茎ぎみ, 小児科, 62, Page1168-1173; 2021.
2.上原 央久, 【まるごと 尿路感染症と性感染症ぷらす炎症性疾患】亀頭包皮炎(主として小児), 泌尿器Care & Cure 22, 467-470; 2017