今日は、達障害サバイバルブック 自分自身に贈るギフト(強み)の見つけ方 (著者:難波寿和) の紹介をさせていただきます。
ギフトというと、発達障害の人は何かに対して特異な才能をもつことがあるとテレビ番組や記事で目にすることもあり、「絵がすごく得意」「絶対音感がある」などを想像してしまうかもしれません。しかし、突き抜けるほど、何かに対して才能がある人はごく少数になります。ギフトというのは、これは、この本を読んでの私個人の解釈もはいりますが、自分の中にある宝物で、自分のことを受け入れたり、自分を少し好きになったり、自分に自信を持ったり、する助けとなるものです。
ではギフトはどうやって探すのでしょうか?自分自身の人生を振り返り探します。自分の良いところ、昔に好きだったこと、これまで苦手だった物事とそれにどうやって対処してきたのか、などをリストアップしていきます。
著者は、ギフトは自分で見つけるからこそ、光り輝く宝物になると述べておりますが、人から言われて気付くこともあります。私自身は恩師の海老澤元宏先生に相模原病院を退職する前の送別会で「とても不器用だが常に成長し続けるのが良いところ」と言っていただき、40歳にして自分の強みをはじめて認識できました。
この本では、約20人の当事者やその保護者の方にインタビューして、これまでに人生からどのようにしてギフトを見つけたのかと本人からのコメントが紹介されています。
本の内容をそのまま紹介するわけにはいかないので、少し恥ずかしいですが、私自身 (ASD, DCD, 軽度のADHD) で簡単な例を挙げていきたいと思います。いつか自伝も書きたいなとは思っています😅。私自身、「ITに強い」「英語が得意」「統計学が得意」など目に見える武器がありませんでした。そのうえ、不器用で、コミュニケーション能力も高くありません。こんな私ですが、振り返ってみると(もっとたくさんありますが
ごく一部だけ抜粋します)・・・
まあ、ぱっとしないが、悪くはないじゃないか😅
このように自分のこれまでを振り返えることで、自分自身の強みを認識できる(自分を少し好きになる)と同時に、著者の先生が述べている、障害受容「自分の障害を知った上で、障害の特性に対して工夫をしている状態と自分の障害のままで良いと受け入れている状態がバランスの取れている状態」に近づくのかなと思います。
この本は、思春期のお子様を対象として想定されていると思いますが、将来に向けた準備として、幼児や小学生の保護者の方が手に取ってくださっても良いかなと思います。
この本はクリニックの本棚に置いておきますし、外来でもご相談いただければギフト探しのお手伝いをさせていただければと思います😃