知られていない発達しょうがい児の診療への評価の低さ&少しずつでも動きだそう

現在、当院の発達支援外来は新規予約を完全に中止にしております。予約が多くパンク状態になっているからです。厳密な定義によるかかりつけの患者さんより相談があった場合のみ無理してでも対応させていただいております。かかりつけな患者さんの相談に対応できないようでは地域の小児科医として失格だからです。なお、かかりつけの患者さんの厳密な定義は、体調不良時, ワクチンのいずれも当院を受診してくださる方になります。 

それなら診療枠を増やせばいいのでは?と思われるかもしれません。それができない理由は2つあります。1つは時間的な理由です。私の診療を必要としている方が、他にもたくさんいらっしゃるからです。カゼなど感染症の患者さん, 予防接種・健診の方そしてアレルギーの専門的診療を要する患者さんetc..。もう1つは経営面です。発達しょうがいの診療報酬はとても低いのです。発達支援外来は初診は60分、2回目以降は30分時間をとって診療しております(他に診療待ちの患者さんがいらっしゃらない場合は30分以上お話しする場合もあります。しかし、その診療報酬は3~5分で診療が完結する、発熱の乳幼児1人を診察するよりも低いのです。しかも、診療を開始して2年以上経過するとその診療報酬はさらに低下します。発達支援外来を頑張れば頑張るほど赤字になってしまうのです。これは以外と知られていない事実で、小学校の支援級の先生や療育施設の先生の話すと皆びっくりします厚労省が発達しょうがいには、医師の診療は必要ない、と言っているとしか思えません。スタッフに給料を払わないと行けないし、当院が倒産すると困る方もいらっしゃるので、経営面を無視するわけにはいきません。

開業医としてはこれだけやっていれば十分かもしれません。しかし、このまま今の診療体制を継続した場合、「すべての方がいきいきと生活できる地域作り、お子様に重度の障害があっても、保護者が自分の死後を心配しない、そんな社会づくりの土台を、生きている間に作っていきたい」という私の人生における目標を達成するのは不可能です。

色々と考えて見るものの、資金面が厳しい・・。今回の電子カルテ導入を機に、保険点数についても色々勉強したのですが、小児科は内科と比較して経営が難しいことがよく理解できました。さらに、これからは新型コロナにより加速した少子化の時代が待っております。さらに当院を含め全国の小児科医は新型コロナの影響で大きなダメージを負っております。記憶はあいまいですが、日本の開業小児科医の約2%が新型コロナをきっかけに閉院しております。

 新型コロナと少子化で閉院も 小児科医療が直面する危機(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)

teammanabe.hatenablog.com

 今は動くには厳しい、でもこのままの生活を続けていいのだろうか?と悩むだけの日が続きましたが、それだけでは何も進みません。まずは、自分の今後のプランを無謀な内容であってもきちんと理論的に文章化すること、療育施設を経営している方達に話を聞きに行く、小児科医を開業しながら就労施設を運営している先生に話を聞くことから始めて見ようと思います。実は、これは以前から考えていたことですが、考えるだけでは動けません。そこで、このブログで宣言することにしました!まずは、1歩踏み出してみよう。