これも医療崩壊? 発達支援外来は真のかかりつけの方限定とします

これまで、発達支援外来の予約を当院かかりつけのみとしながらも、ご相談のあったケースはお受けしてきました。しかし、継続受診中の方の再診予約を取るのさえ苦労するようになってきました(本当は2週間後に経過をフォローしたい子が、2ヶ月後になってしまう) 。また、新型コロナの影響でいつ休診になってしまうかわからないということも懸念されます(私は感染しましたが、万が一院長や事務・看護師が感染した場合は休診を考えないといけません)。休診となった場合、予約の移動がとてつもなく厳しい状況です。

今後は、当院の真のかかりつけ当院を感冒時や予防接種で定期的に受診している方

のみと致します。先日も、他院かかりつけの未就学児の保護者の方より、泣きながら相談の電話がかかってきました。事務さんより「とても困っていらっしゃるようなのですが、難しいでしょうか?」と相談がありましたが、お受けしてもきちんとフォローできなければかえって不利益になってしまう、また今後当院のかかりつけの方より依頼のあった場合に対応ができなくなるので、断腸の思いでお断りしました。

現在は、当院のかかりつけの方のみ、なんとか6,7月に予約をお取りしております。

 

おそらく他院も同様の状況で、先日は、県内の某専門医療機関に紹介したところ、予約取得日が、令和5年5月に取得しましたという連絡をいただきました。また、別の専門機関は児童に対応できる先生が不在となり、新規予約は1年半待ちと聞いております。

 

この問題を解決するには、診療報酬の大幅なアップが必要ですが(現状では対応するほど大赤字になります)これは現実的ではありません。少しでも、対応してくださる地域の小児科医を増やしていく取り組みが大事だと思います。地域の小児科医は、発達支援外来の重要性を理解してはいるけど、どのように立ち上げていけばよいのか不安があり1歩を踏み出せない、という部分もあるのかなと思います。来月は、当院の電子カルテの株式会社Henryの主催で、そのような先生方を対象に、「発達支援外来を立ち上げるポイント」について講演をします。私自身、発達支援診療は、未経験の状態から、開業後に始めたものであり、率直なところ、まだまだ良い診療が出来ているとは思っておりません。しかし、こんな私だからこそビギナーの先生方にとっては参考になる部分もあるかなと思っております。参加してくださった先生方に、週に1人でも対応してみようかなと思ってもらえれば幸いと考えております。