算数のつまずきについて学びました

先週末にWebで「算数のつまずき」について学びました。この分野は、以前にも独学で勉強したのですが、講義を聴いて理解が深まりました。

一言で算数が苦手、と言っても、色々な原因を考えないといけません。狭義の算数障害は、IQが90以上 にもかかわらず, 数字の大小など関係の理解に乏しい (例.10円玉と100円玉を同じ1枚ととらえる), 1桁の足し算を行うのに指を折って数える, 数学的推論 (文章題の理解) の困難さ、を認める状態をいいます。

IQは70以上が正常範囲ですが、90未満の場合は、つまり、知的障害がなくても単元によっては理解は難しい可能性があります

その他、認知特性や発達特性により算数につまずく場合もあります。認知特性によるものとしては、1.視知覚の弱さによる図形理解の困難 (例.図をイメージできない) 2.聴覚的記憶の弱さによる困難 (例. 九九が覚えられない)3.不器用さによる作図の困難 (例.定規で線が引けない)などが挙げられます。この1,3に対しては、ビジョントレーニンにより補うことができる可能性があると思います。また、3.については、使いやすいコンパスや定規など便利なグッズが販売されています。

発達特性によるものとしては、自閉スぺクトラム症の場合は、文章題を解くときの暗黙のルールが理解できない、自分のやり方にこだわる、などでつまずいてしまう場合があります。文章題の意味を本当に理解しているかどうかに注意しましょう。ADHD児の場合は、間違いのパターンに一貫性がない, モードをすぐに変えられない(例.足し算の問題から引き算の問題に変わっても、足し算をつづける)、文章をよく読まずに間違える、などの特徴があります。

算数のつまずきについてこれまで外来で相談を受けることがあり、わかりやすい本を紹介したり、そのお子様にあった部分をコピーしてお渡ししていましたが、2度目の相談を受けたことがほとんどありません。資料を渡すだけでは難しい可能性があり工夫をしていけなければいけないですね。

算数のつまずきについては、学校現場でもあまり理解されていない可能性があります。

某市では、小学校4年生で1桁の足し算を指を折らないとできないお子様に対して、

私が知能検査をすすめたら、必要ないと一蹴されてしまいました。

お子様の算数のつまずきで悩んでいらっしゃる方がいましたら気軽にご相談ください。

まずはつまずきの原因をアセスメントし、一緒に考えていきたいと思います。