共生社会に向けた新しい選択肢

昨日は、早朝に、「高学年のこどもへのソーシャルスキル指導」「子どもの見る・菊の力の理解とその指導」についての講演会、50分×4本を視聴しました。勉強になったことがたくさんあり、ここから本で勉強し、私の診療の引き出しを増やしていければと思います。

午前中は、療育会社「たすく」のイベントに参加しました。2家族のたすくとの2人3脚での取り組みを紹介してくださいました。やっぱり療育は継続が大事ですね。すぐには成果がでなくても、どこかで生きてくる。お母さんの「皆から愛される人に育てることが大事」という言葉が、耳に残りました。生活していくには周囲の助けが必要ですよね。私の外来でも、認知と同じぐらい「皆から愛される人に育てることが大事」を強調していきたいと思います。

午後に、録画しておいた、NHKハートネットを見ました。

【特集】相模原事件から4年(1)“パーソナル”な暮らしをつくる - 記事 | NHK ハートネット

内容は、相模原殺傷事件の被害者で重度の知的障害と自閉症を持つ成人の尾野一矢さんが、重度訪問介護を利用しながら1人暮らしを体験するというものでした。この訪問介護では、担当のヘルパーさんがつきっきりで生活を介助してくれます。例えば、買い物に一緒につきそい、選び、昼食を用意し、髭剃りなど身に周りのことを補助します。時間でスケジュールが決められていた施設と違って、自分の好きなように過ごせます。一人暮らしを始めてから、表情が生き生きと豊になったようです。最後に、本人より「施設には戻らない」という意思表示がありました。本人とご両親の生き生きとした表情が印象的でした。重度訪問介護の共生社会に向けた新しい選択肢となりうると思いました。しかし、この重度訪問介護は、マンパワーを要する割に、報酬が低いため、普及しておらず、まだまだ解決すべき問題がたくさんあります。

私の考えですが、共生社会の実現には、1) 障害について理解し、有事には拘束や隔離ではなく、考察・分析し、適切な対応ができるスタッフの育成 2) 早期からのエビデンスのある療育と保護者の障害への理解(療育を受けてきた子の方が、対応しやすい)3) 一般の方の障害に対する理解、が必要かなと思います。

まだ、何もできていない私ですが、焦らず、できる事から取り組んでいきたいと思います。