【アレルギー診療】外来診療にも少し影響が

私は見なかったのですが、日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」の「ひどい肌荒れがまさかの方法で回復」という番組で、明らかな科学的根拠なく、脱ステロイドをすすめるような内容が放送されたようです。

番組を視聴により、多くの健康被害をもたらす可能性があり、日本小児アレルギー学会を含む複数の学会が合同で日本テレビに対して抗議を出したようです。

【重要】2021年9月7日に放送された日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」に関して抗議文を提出したこと|お知らせ|一般社団法人日本小児アレルギー学会

私の外来でも影響が出てきております。ステロイド外用薬の話をしたら暗い表情をした方複数がいましたので、話を伺ったら、番組を見た友人や親(児にとっては祖父母)から連絡があり、不安になったようです。

幸い、現在の外用薬ステロイドのランクと使用頻度であれば心配不要なことをしっかり説明させていただき、不安が解消されたようでした。

私が医師になった2003年は、アトピー性皮膚炎の重症例が少なくなく、全身がひどい湿疹で、包帯でグルグル巻きの状態で入院してくる赤ちゃんはコンスタントに経験しておりました。その後、学会の取り組みで、ステロイドを適正に使用する標準的な治療が普及し、アトピー性皮膚炎の重症例は激減しました。この番組により、患者さん達が混乱し、ステロイド外用を自己中断し、皮膚の状態が悪化しないか不安です。

当院にアトピー性皮膚炎で通院中の方で、ステロイド外用薬に不安を感じた方は遠慮なくご相談ください。話を伺った上で、治療方針などについてしっかり説明させていただきます。