【本の紹介】ADHDの人のアンガーマネージメント

最近、ADHDの人のアンガーマネージメント (高山恵子監修) を読みました。名著で、私自身の参考になりました。自分は怒りやすいな~と思っている方にはぜひ手にとっていただきたい1冊です。

 

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自分なりにポイントと思ったところを、自分の言葉で紹介しますが、ここでは10%も紹介できないので、興味を持った方は、実際に本を手にすることをおすすめします。

 

怒りは周囲の人との間に不要な摩擦を生み出します。相手が正しくても、強い口調で言われると、こっちもだんだんイライラしてくることって経験ありませんか?周囲に怒りを向けると、怒りには怒りで対応されたり、怒りが伝染したり、周囲の人から避けられたり、など人間関係が確実に悪化します。怒りから生まれるものはありません。そして怒った後は、疲労感が残ります。さらにそこに怒りをおさえられない自分に自己嫌悪や後悔がわきあがってきます。

 

では、どうすればよいのでしょう?

怒らないようにするのは不可能、なので怒っても爆発させないことに重点を置きます。

まずは、短期的な応急処置として、

怒りにきづいたら6秒数える(怒りのピークは6秒で過ぎる)

ゆっくり水を飲んで深呼吸する (怒っているときは呼吸が乱れます)

心をしずめる言葉を頭の中で唱える (私なら大丈夫だ、など)

その場を離れると気持ちを切り替えやすい

・怒ったこと自体をすぐ謝る、など

 

長期的な方略としては、

イライラや落ち込んだことを具体的に記録する(状況や怒りのレベル)

 →自分の怒りやすいパターンが見えてくる 

自分を客観的に見つめ、自分が怒っていることを認識する

 →冷静に対処する余裕が出てきます

・解釈の仕方で怒りのタネが生まれることを認識する

例えば、私が事務さんに「あの仕事をやってくれた?」と聞いたことに対し、事務さんが目を血走らせて「ここのところ忙しいのにできるわけないでしょ」と答えます。私は何気なく聞いたのに対し、事務さんはせかされていると解釈してしまったようです。そうなると、私にも「なんだ、あの口の利き方は」と怒りがうつってしまいます

・私はの後に自分の気持ちを言うことで、ベースにあった感情に気付く

例.上の事務さんが私に対して「副院長、ムカつく!」と周囲にもらしたとします。これでは、事務さん=怒りです。「私は怒りを感じています」というと、事務さん=感じているとなり、怒りから少し距離を置くことができます。すると、「なぜ自分は怒っているのか?」「そうだ、副院長が私が頑張っていることを認めてくれないからだ」ともともとあった本当の感情に気付きやすくなります。

注意)これらはあくまでも架空の話です。

・「なんで」を「どうしたら」に変える

「なんで」は後ろ向きの言葉。次の成功には「どうしたら」という前向きな考え方が大事です。

例) スタッフはお願いしたことをやってくれなかった。

  ×なんでやってくれないんだ。採用面接をもう少し慎重にすべきだった

  ○どうしたらやってくれるのだろうか?もう少し具体的にお願いしてみようかな

注意)これも、もちろん架空の話です。

・睡眠しっかり取る 寝不足はイライラを引き起こしやすくなります

・考えても変わらないことは考えない

・感謝が人間関係をスムーズにする

 

外来では、小学校低学年のお子様には応急処置の実践を教え、高学年の方や保護者の方には、長期的な対応をお話して行ければと思います。本棚入りはしばらくお待ちくださいね。