開所準備中の当事業所はお子様へのトータルアプローチで対応していきます。
・視覚支援
・感覚統合
・応用行動分析 (お子様によっては絵カードコミュニケーション)
・家庭訪問
その中の1つの応用行動分析ですが、まずは、歴史が最も古い離散試行型指導法
(DTT:Discrete TrialTeaching)という手法を取り入れていきます。
DTTとは、例えば、「拍手」を模倣する練習をするとします。療育者が「パチパチ~」といって、手を叩き、子どもができたら、ほめて、すぐに強化子を与えます。強化子とは、簡単にいうと、成功報酬です。お菓子やおもちゃなどを使うことが多いです。お菓子はこまかくしておきすぐに消費できるように、おもちゃは数秒で返してもらい、すぐに次の試行にうつります。お子様がまだ模倣が難しい場合は、プロンプトといって、手伝ってあげ、できたらほめ、失敗を連続させないようにします。プロンプトは最初はしっかりと、徐々に減らしていき、最終的には自力でできることを目指していきます。1回の練習で8~10試行が目安となっています。
その後、DTTから 、自然な環境の中で、子どもの自発性・意欲・自発性を重視して行うESDM (Early Start Denver Model) や遊びと社会性, 特に共同注意に焦点化したJASPER (Joint Attention Symbolic Play Engagement Regulation) などの手法が派生し、これらがこれからのはやりになってくるのではないかと思います。
では、いまさらESDMやJASPERではなく、古典的なDTTから始めるのか?
その理由は、
1) 歴史や背景を知ることは大事だから
2) DTTの手法が基礎になるから
3) ESDMやJASPERは講習の機会が少ないから
4) 提携する「つみきの会」のセラピスト先生方の支援技術の高さ
などです。
1) 歴史や背景を知ることは大事だから
古典的な手法を身につけることで、新しい手法がどういう目的で、どこを改良してきたのかという事が理解しやすくなります。なんでも新しい手法にいくのではなく、ある課題は古典的な手法にしてみるなど、療育・支援の幅も広がると思います。医学の世界でも、私の専門とするアレルギーはこの20年でだいぶ変化がありましたが、その歴史を知っているからこそ、私の治療の引き出しは若い先生方よりも豊富だと思っております。
2) DTTの手法が基礎になるから
ESDMの本に目を通してみましたが、なにもベースのない支援者が実施するには難しいと感じました。何をやるにも、まずはDTTの理論と手法の理解が、急がば回れで近いのかなと思いました。
3) ESDMやJASPERは講習の機会が少ないから
講習を受けられる場所は限られています。それに比べ、DTTはわかりやすい本やマニュアルがあり、比較的学習しやすいです。事業所が軌道にのり、スタッフの技術レベルがあがってきたら、ESDMやJASPERにチャレンジしていきたいと思います。
4) 提携する「つみきの会」のセラピスト先生方の支援技術の高さ
私が実際に、先生方の熱意と支援技術の高さをみているので、間違いないです。
スタッフには療育の内容も大事ですが、支援技術をしっかり盗んでいただきたいと思います。
以上が、なぜいまさら古典的な応用行動分析(DTT) を取り入れるのか?の理由になります。
当事業所は、基礎的な土台をしっかり作りつつ、新しい手法もどんどん取り入れて支援にいかしていきたいと思います。