スモールステップとプロンプト (ガイド)

昨日は、私の療育論を展開してしまいましたが、大事なことが抜けておりました。

スモールステッププロンプト (ガイド) についてです。

まずは、スモールステップについてです。これは行程を複数に分解するあるいは目標を段階的に設定するという手法です。私達も普段の仕事では当たり前のように使っていると思います。ビジネス本では、To do リストとして紹介されていると思います。

私が2008年に足柄上病院で食物負荷試験を立ち上げた時を例にあげてみましょう。

「食物負荷試験を立ち上げる」だけだと何から手をつけてよいのか分かりません。

そこで、以下の行程を書き出し、1つずつつぶしていきました。これは、行程を複数に分解するスモールステップですね。

・病棟・外来の看護師への説明

・栄養士への説明し協力してほしいことを伝える

・病院事務方への説明

・保護者への説明資料の作成

・近隣の開業医の先生へのアピール

 

日常生活を例にすると、朝の支度をしなさい、だけでは漠然としていますが、

・顔を洗う

・パジャマを脱ぐ

・洋服を着る

・ズボンをはく

・朝食を取る

・はみがきをする

に分解していくことで、やるべきことが見えてきます。

 

もう1つ。幼児が自転車の乗ることで考えてみます。今度は、目標を段階的に設定するスモールステップです。いきなり自転車に乗る ことを目標にはしませんよね。

補助輪付きで乗る→ 保護者が後ろを持った状態で乗る→ 保護者が最初は後ろを持ち、後で手を離す→補助なし、といった感じでしょうか?

 

次に、プロンプト (ガイド)について。最初は、フルで手伝い (プロンプト)、その手伝いを徐々に弱くしていきます。もちろん、手伝ってでもできたら、ほめます。

プロンプトには大きく分けて3つの種類があります。言語プロンプト, 視覚プロンプト, 身体プロンプトです。お着替えを例にとると、言語プロンプトは、「次、右手」など言葉だけでの補助。視覚プロンプトは、指さしや絵カードによる補助。身体プロンプトは、一緒に手をそえてズボンをはくなどです。プロンプトの強さは、身体>視覚>言語の順になります。また、各プロンプト内でも強さを調節できます。例えば、身体プロンプトは、例えば、洋服を着るで右手を通すときに、右手をタッチするだけと右手をそでの入り口に持って行く、では補助の強さは異なりますよね。

最後に、洋服を着る時の左手をそでに通す動作を例に挙げます。

「左手」といいながら一緒にそでを通す (言語+身体プロンプト)

→「左手」といいながら、左手腕を指さしします(言語+視覚プロンプト)

→「左手」の声かけだけでできる (言語プロンプト)

自立

最初はプロンプトをしっかり、その後徐々に弱めていき、自立を目指していきます。

スモールステップとプリンプトについて何となくイメージがわきましたでしょうか?

急がば回れで1歩ずつ進んでいきましょう。